映像・音楽再生能力は?

■バランスの良いHDR対応ディスプレイ

ディスプレイの画質を比べてみる。Pixel 6 Proは最大120Hz対応のスムーズディスプレイ機能のほか、パネルを省電力性能の高いLTPO有機ELとしている。

Pixel 6aに比べるとサイズが6.7インチと大きなぶん迫力はあるが、明暗のバランスや発色の傾向はPixel 6aもほとんど変わらない。

Pixel 6シリーズは、NetflixがAndroidデバイス向けに配信するHDR10対応コンテンツの高画質視聴に対応している。オリジナルドラマ『ストレンジャーシングス シーズン4』はとにかく暗い映像のシーンが多い作品だが、Pixel 6aも暗部のディテールをつぶすことなく質感を引き立たせ、薄明かりに照らされる人物の肌色もていねいに再現してみせた。とても自然でバランスの良いチューニングだ。

■ハイレゾ対応は?スピーカー再生が向上

オーディオはワイヤレス、有線ハイレゾ再生、スピーカー再生の3点を確認した。

まずBluetooth再生はPixel 6 Proと同じくLDACはサポートしているが、aptX Adaptiveには非対応になる。

Bluetooth LE Audioへの対応をグーグルに確認した。同社は現時点で将来性の豊かな技術であることを認めつつも「仕様全体が先週承認されたばかりであることを考慮すると、リリースを急いで不十分なユーザーエクスペリエンスを提供するのは得策ではない」と判断したという。今後、主要なBluetooth対応リスニングデバイスのメーカーと緊密に連携しながら、LE Audioの実用準備が整い次第、Pixelデバイスでサポートする考えを示している。

Google Pixel 5a (5G)には搭載していた3.5mmヘッドホンジャックが、Pixel 6aでは省略されてしまった。そのため有線タイプのヘッドホン、イヤホンを使用する場合はUSB-C端子からの変換アダプター、またはハイレゾ対応のUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプが必要だ。

ハイレゾ対応のUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプによる再生をテストしてみたところ、Pixel 6 Pro/Pixel 6と同様に、Pixel 6aも再生できるファイルが最大96kHz/24bitのリニアPCMまでになるようだ。Pixel 5a(5G)では最大192kHz/24bitまで再生できるので、Tensorチップの仕様による何らかの制限がかかるのかもしれない。

スピーカー再生についてはPixel 6 Proで少し気になった左右バランスの偏りが、Pixel 6aで解消された手応えがある。Netflixのコンテンツを再生するとダイアローグが中央にしっかりと定位して、さらに周囲へ均等に効果音がリッチに広がる。スピーカーからの出力はPixel 6 Proの方に余力が感じられた。

■Proの実力を踏襲する高性能な「音声認識」

Tensorチップによるイノベーションは、Pixel 6 Pro/Pixel 6のレビューでも伝えた「言語認識」の周囲に個性と特徴を強く感じる。記者・ライターである筆者がインタビュー取材の際、もはやPixel 6 Proが欠かせないツールとなっている理由は、日本語・英語ともに精度の高いリアルタイム音声文字変換ができる「レコーダー」アプリを搭載するからだ。

Tensorチップが採用される以前のGoogle Pixelシリーズもまた、アップデートによりレコーダーのリアルタイム音声文字変換に対応した。Pixel 6シリーズはイタリア語/スペイン語もサポートしているところが差分になる。

Pixel 6 Proと比較してみても、Pixel 6aのレコーダーアプリによる文字起こしのスピード感や精度に差はない。言語認識に関わる機能として、ほかにもYouTubeの動画にリアルタイムで字幕が付けられる「自動字幕起こし」や、カメラアプリでキャプチャしたテキストを瞬時に翻訳するGoogleレンズの「リアルタイム翻訳」も上位のPixel 6と使い勝手に遜色がない。

それどころか本体がよりコンパクトになったPixel 6aはポケットやバッグに入れて持ち歩きやすい。立ったままでのインタビューの際にも、片手で持ちながら音声文字起こしに活用できる。取材の現場ではPixel 6aの方が高い機動力を発揮してくれそうだ。

Google Pixelシリーズといえば、Android 12の最新アップデートをいち早く試せるギークなスマホというイメージが強かったが、Pixel 6シリーズからは5G対応になり、先進のAIによる「役立つ機能」の数々を搭載した上にオーディオ・ビジュアルの画質/音質も安定した。Pixel 6aは様々な用途につぶしが効くミドルレンジクラスの優良スマホとして、多くの人々から人気を獲得するだろう。