文句なしにオススメできるユニークなストリーミングプレーヤー

■tvOS 16から「空間オーディオ」の体験が向上する

以下は最新のtvOS 16によって進化するポイントだ。

Siriはユーザーインターフェースが変わった。音声検索の結果は画面の右側に、よりコンパクトに表示される。以前までは画面の下側約1/3ほどのエリアに検索結果が表示されていた。

Apple TVに接続したAirPodsによる「Hey Siri」も可能になった。Siri Remoteの内蔵マイクも優秀だが、Siriを呼び出す際にはリモコンを手に取ってSiriボタンを押す必要があった。かたやイヤホンを装着していればキッチンで料理や片付けものをしながら、Hey Siriによる操作ができる。テレビにApple TV+のドラマを映して、音声をAirPodsでしっかり聴くといった視聴スタイルがより快適になりそうだ。

AirPodsに関係するところでは、iOS 16を搭載するiPhoneで作成した「パーソナライズされた空間オーディオ」(関連レポート)のプロファイルが、Apple TV 4KとAirPods(AirPods 第3世代/AirPods Pro/AirPods Max)を組み合わせたリスニングの際にも有効になる。Apple TV 4Kの「設定」から「リモコンとデバイス」に入り、Bluetoothデバイスに並ぶAirPodsシリーズの設定から「空間オーディオ」と「パーソナライズされた空間オーディオ」をオンにしよう。

AirPods Maxをペアリングし、新しいApple TV 4KでApple TV+のオリジナルドキュメンタリー『太古の地球から - よみがえる恐竜たち - 』を見た。「エピソード1」の冒頭、T・レックスの親子が海を渡って食料が豊富な島に向かうシーンでは、T・レックスの幼獣を捕食するため、背後からモササウルスが迫り来る緊張感が、空間オーディオによってリアルに伝わってくる。

パーソナライズされた空間オーディオの効果を切り換えてみると、やはりオンにした方がダイアローグの輪郭線が太く立体的になって研ぎ澄まされた。重低音の迫力にも厚みが乗って、いっそう真に迫った。Apple TV 4KとAirPodsシリーズによるヘッドホンシアター鑑賞にこそ「パーソナライズされた空間オーディオ」の機能は活きてくる。ぜひとも活用したい。

■年内には2つのソフトウェアアップデートが予告されている

第3世代のApple TV 4Kには、パワフルなA15 Bionicチップの性能をさらに活かす新機能が加わる。年内に実施を予定するソフトウェアアップデートにより追加される予定だ。

そのひとつが、HDMI 2.1aから採用される「Quick Media Switching」への対応だ。Apple TV 4Kとディスプレイの接続を維持したままフレームレートや解像度が異なる映像が入力された時、合間に音声と映像の途切れやノイズを発生させることなくスムーズに切り換えるための機能だ。収録フレームレートが異なる映画の本編と予告編など、映像が切り替わるタイミングをユーザーが気にすることなくコンテンツにのめり込むために欠かせない。

もうひとつは、現在HomePodがサポートする「Siriによる声の識別」に、Apple TV 4Kも対応するということ。最大6人まで家族の声を登録して、音声操作で「私のおすすめ」を聞くと、個人単位でパーソナライズされた音楽プレイリストをデバイスがおすすめしてくれる。ほかにもどんな使い方ができるようになるのか楽しみだ。年内予定のソフトウェアアップデート時には英語と同じタイミングで日本語対応も実現するという。機会が訪れた際にはぜひ試したい。

いま日本国内で販売されている4Kテレビの多くのモデルには、Google TV(Android TV)をはじめとするスマートOSが搭載されている。VODや音楽配信などのサービスを楽しむ目的であれば、別途外付けタイプのストリーミングプレーヤーを足す必要はないと思うかもしれない。

だが、Apple TV 4Kは違う。iPhoneやiPadに保存したコンテンツはAirPlayを使ってスムーズにテレビの大画面で視聴できるし、Apple Arcadeで配信されているオリジナルゲームが遊べる据え置き型ゲームコンソールも、ほかにない。とてもユニークなストリーミングプレーヤーなのだ。

HDMI 2.1を搭載するゲーミング/PCモニターと組み合わせる場合はゲームを遊ぶだけでなく、VODや音楽配信などもマルチに楽しめるメディアプレーヤーとしての魅力を発見できるだろう。第3世代のApple TV 4Kは、文句なしにおすすめできる、2022年のアップルデバイスだ。