人気ゲーム『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』を「キーマウ」でプレイするために、まずゲーミングPCを導入、さらにゲーミングマウスなどのデバイスを整えた。

初心者のプレイ環境としては充実しているはず、負けをデバイスのせいにするのは忍びないところまできた。実際にある程度スムーズな動きができるようになり、真正面からの撃ち合いにも勝てることが増えている。

しかし、プレイをしていると、どうも味方より初動が遅れてしまうことが多いことに気づいた。彼らは次から次へと別の場所に移動してしまうのだが、闇雲に走っているにしては、行く先々で敵に出会っている。

また、せっかくの144Hzディスプレイでも記者には敵影が見えていない段階から、先に仕掛けて有利に戦闘を運んでいるようだ。彼らにはいったい何が見えているのか? いや、これは聞こえているのだ。ということで、今回はゲーミングヘッドセットを選ぶ際のポイントをマウスコンピューターに聞いた。

■ゲーミングヘッドセットはゲームに有利に作られている

まず、普通のイヤホンやヘッドホンでもゲームはプレイできる。それは当たり前だが、ゲーミングヘッドセット(ここではゲーミングイヤホンも統一してゲーミングヘッドセットと呼ぶ)では、音楽鑑賞的な音質よりも、音場や定位、音像の見えやすさを重視すべきだという。

マウスコンピューターの担当者も「目で見る情報の次に重要なのが、耳から入っている情報」と力説する。実際に、しゃがむと音が小さくなるなど、ゲーム側も音の重要性を認識している。足音だけで位置を把握してグレネードを投げたり、壁の向こうにいる敵を倒すいわゆる壁抜きというテクニックなど、相手が見えなくとも音が聞こえれば対応できる場面は多い。それには音質も重要ではあるが、それよりどこから聞こえたのかを把握するのが重要だということだ。

さらに「5.1chや7.1chといったサラウンドに対応しているモデルであれば、よりどの方向から銃声や足音がしたのかを察知しやすくなる」とのこと。これが通常のステレオ再生では、左右こそ感じ取れるが、前後は音で把握するのが難しくなる。

またメーカーによってPCソフトが用意されており、細かくイコライジングできたり、足音が強調されるなどのプリセットが選べることもあるので、ソフトの優秀さを加味するのもオススメらしい。

ただし、サラウンドではかえって音が濁りやすいという声もある。音の方向は分かりやすいが、アンビエントサウンドとの聞き分けがしにくくなるケースがあるわけだ。また、ステレオモデルが悪いわけでは決してなく、プロゲーマーにもステレオモデルを使っている方は多い。実際にオーディオファンから長く愛されるゼンハイザー「HD598」などは、ゲーマーにもファンがいるそうだ。

では何を基準に選ぶのか、というポイントだが、まず上記のとおり「音の方向性、距離感がわかりやすいかどうか」。これは様々なレビューを参考にしたり、実際に自分の耳で聞いてみて判断することになるだろう。ゲーミングヘッドセットに関しては、そもそもゲームに向いた音作りになっているため、なかでも聞きたい音が描き分けられているか、ゲームのジャンルによっては迫力ある低音が得られるかなどに注目したい。

そして機能面で、マイクを搭載しているかどうか、というのも音楽鑑賞向けモデルとゲーミングヘッドセットを区別する要素になる。ゲームプレイにおいてマイクは単なるオマケ的な機能ではなく、ノイズキャンセリング機能を搭載したマイクなど、通話性能にこだわられたものが多い。ボイスチャットによる連携時に音割れして聞き取れない、というのでは話にならないため、ここも重視すべきポイントになる。

マイクに関しては、ヘッドホン型ではブームマイク形式が基本だが、このブームマイクを跳ね上げることでミュートになる機能を搭載していると便利だ。マイクを口元からどける動作とミュートが一緒になっているため、ちょっと飲み物を飲んだり、お菓子を口にしたりといったときにマイクが邪魔にならず、相手に咀嚼音を聞かせなくて済む。

またヘッドホンのハウジング部に指向性マイクを内蔵して口元の音をピックアップするロジクール「G435」などは、始めから口周りがスッキリしている。いずれにせよPCではゲーミングヘッドセット側にミュート機能があるとラクで、使う機会も多い。ミュートボタンなど、とっさに触れる位置にあるかどうかをチェックしておきたい。

余談として、音楽鑑賞向けでも音場再現能力の高いモデルに単独マイクを組み合わせたり、マイク非搭載イヤホンの上にゲーミングヘッドセットを被せて着用し、そちらのマイク機能だけを利用するというケースもあるようだ。とはいえ、これらは手持ちに良いイヤホン/ヘッドホンを持っていたり、別途マイクを置くスペースがあることが条件になるため、まずは素直にゲーミングヘッドセットを選ぶのがラクだろう。

さらに、ゲーミングヘッドセットで気にするべきは装着感だ。音楽・映像鑑賞よりもゲームプレイは長時間に及ぶことが多い。装着して3時間もすれば、普段は気にならなかった些細な部分がストレスになる、なんてこともある。試しにパッと着けただけでは判断しづらいので、自分の好みの装着感はどういったものかをあらかじめ考えておくのが良さそうだ。

側圧が弱めのものはその分だけ閉塞感がなく、締め付けられる感覚がない。逆に側圧が強めであれば遮音性が得られ、より深い没入体験が可能だ。頭のサイズによってはヘッドバンド(もしくはスライダー)部分の可動域の大きさが重要になり、これが合わないと頭頂部が痛くなってくるため注意が必要となる。記者の場合は頭大きめ&痛くなりやすいタイプなので、ヘッドバンドの調整幅が大きく、イヤーパッドはなるべくふわふわしたものを選ぶのが良さそうだ。

■音の聞こえ方が変わると、聞き方も変わる

さて、ゲームをプレイしていて、音を「楽しむための一要素」ではなく「勝つために必要な情報」として捉えると、聞き方が変わってくる。具体的には、音が聞こえたらその方向に向かって動いていたのが、音が聞こえないかを常に動きながら探るようになった。

この時、キャラクターの位置や顔の向きは常に変わっていくため、とっさにどの方向で音がしたのか、どの程度の位置なのかを把握しやすいかどうかが与える影響は大きい。ゲーミングヘッドセットに変えてから、自分が味方より先に敵がいる方向を察知して動く機会が増えた。

また記者がよく使うキャラクターの「バンガロール」は煙幕を張るアビリティを持っているが、これを使って視覚だけに頼ると敵を見失って不利になる。音で敵がどう動いているのかを判断する必要があるため、混ざり合う音を聞き分けていくことになるが、ゲーミングヘッドセットは音の分離が良く、煙の中で何が起こっているのかが想像できる。

だから勝てるか、というとそうではないが、ここから先はもはやプレイングスキルを磨くしかない。ゲーミングPCを始め、ちゃんとゲーミングデバイスを揃えることで、余計なところでストレスがないため、練習も苦にならない。

「キーマウ」が楽しそうだからとスタートしたゲーミングPC構築だったが、『Apex Legends』以外にも色々とゲームを遊んでみたくなった。決して安くないだけに導入には勇気がいるが、店員さんのアドバイスなども受けつつ、納得の行くモノ選びができれば、遊ぶだけ遊んで元は取れるはずだ。

【ポイントまとめ】

・音は方向と距離を把握しやすいかを確認

・マイクはミュート機能も欲しい

・装着性は想像以上に重要になる