サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2017年の公開作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』をご紹介します!

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年・タイ)

(配信:Netflix / Amazon Prime Video / U-NEXT / hulu / dTV)

2017年のタイ映画ランキングで1位を獲得したナタウット・プーンピリヤ監督作。天才的な頭脳を持つ女子高生リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)は、テスト中にある方法で友人を手助けしたことを機に、仲間たちとカンニングビジネスを始める。“リン先生”の元には瞬く間に学生たちが殺到し、次々と試験を攻略。そして、アメリカへ留学するための大学統一入試攻略という前代未聞のカンニングに挑むリンたちであったが…。

近年社会問題にもなっている通り、アジア圏の受験戦争は熾烈を極める。良い大学を出たかどうかで、その後の人生が激変する。そんな競争社会を生きなければならない若者たちのシビアな現実が反映された本作は、中国で実際に起きた集団不正入試事件をモデルにしており、本来不正行為であるはずのカンニングが、スタイリッシュかつ道を切り拓くための行為として描かれている点が非常に面白い。

誰だって正しくありたい。でも、正しさだけではどうにもできないこともある。そういった現実の中で、傷付けて、傷付いて、間違えて、徐々に変化していくリンの姿に、あなたは何を思うだろう。ラスト28分、手に汗握るカンニングシーンは見応え抜群です!

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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、渋谷クロスFM・Voicy・各種WEB・雑誌・メディア等で映画を紹介。イベント登壇、映画祭審査員、映画のカメオ出演、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。