メールや企画書、報告書など、ビジネスにおいて文章で伝える機会は多い。解読に時間がかかるようなわかりにくい文章では、読み手にストレスを与えることは間違いない。

では、端的にわかりやすく、読ませる文章を書くにはどうしたらいいのだろうか。ニュースサイトへの寄稿でたびたび100万PV以上を獲得しているコラムニストの尾藤克之氏に教えていただこう。

※本稿は『THE21』2021年10月号より一部抜粋・編集したものです。


500字程度の文章を"発信"する場を作ろう

ビジネスでは文章を書く機会が多くありますが、文章が苦手なビジネスパーソンは多いようです。私は、学校で文章の書き方を体系化して教えていないことも一因なのではないかと思います。日本の教育では「読解」には重点が置かれているものの、書くことはあまり重視されていないようです。

先日、ある大学で学生に文章を書かせたところ、何が言いたいのかまったく伝わらないものを提出してきた学生が複数いました。それらの文章に共通することとして、まず1文が長く、複数の要素で構成されているため構造がわかりにくいという点がありました。

そこでまず「40字でいったん切る」ように指導したのです。それだけでも確実に改善したのですが、このような少し意識すればできるようなテクニックも、知らないまま社会人になってしまう人も多いのではないでしょうか。

読解力ももちろん大事ですし、本を読むことも必要ではありますが「読む」だけでは文章が書けるようにはなりません。書けるようになるためには、実際に書く練習をすることが必要不可欠だと私は考えます。

そのための場として、ブログやnoteを活用することをお勧めします。発信して少数でも読んでくれる人がいると、モチベーションになるでしょう。書く内容は何でもいいのです。趣味や好きなもののことはもちろん、飼っているペットのことでも、作った料理のことでもいい。

ツイッターやインスタグラムでは短文すぎます。500文字程度からでもいいので、まずは少し長い文章を書いて、それを発信してみる。それを続けることで、自ずと書き方を工夫するようになるでしょう。


気をつけたいのは「ネガティブ表現と断定」

文章を書いて発信する場を作ることによって、「読み手のことを考えた文章を書く力」が培われます。読んだ人にきちんと意図が伝わるか、わかりにくい部分はないかといったことを意識しながら書く練習をするのは、文章の上達にとって有効な手段です。

私自身、コラムニストとして数々の記事を執筆してきましたが、読者からの反響で最近気づかされたことがあります。侍ジャパンのあり方に異議を呈することを書いたのですが、読者から「言いたいことはわかるし正しい部分もあるが、楽しみにしている人もいるのだからもう少し前向きな言い方をしてほしかった」と指摘されたのです。

確かに、読み手の立場に立ったとき、ネガティブなことばかり書いてあると、たとえそれが正論だったとしても読後感は不快なものになるでしょう。ネガティブな主張だったとしても、「(改善策を示して)〜と期待しています」などと締めれば、それだけで印象は変わります。今後は気をつけようと思った経験でした。

また、もう一つ私が注意しているのは、なるべく穏やかな表現を使うことです。強く決めつけたり、否定したりする表現は避けます。例えば「おかしい」「絶対間違っている」「嘘だ」「インチキだ」などという言い方はせず、仮にそう言いたいときでも「違和感がある」という程度の表現にします。強すぎる決めつけや否定は、読み手を不快にさせるからです。

――では、メールや企画書などに使える「読まれる文章」を書くための具体的なテクニックを、4つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。