モノが売れない時代と言われて久しい。しかし、そんな世の中でもヒット商品は必ず出てきているのも事実なのだ。売れるモノは、どこが違うのか?「伊右衛門」「モノより思い出。」「AQUA」など、次々と大ヒットを生み出す小西利行氏は、売れるアイデアには必ず「型」があると話す。

※本稿は、小西利行著『売れ型 誰でもアイデアが湧き出す思考法』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。


「ヒット商品」には必ず理由がある

広告の仕事に従事していると、「ヒット」を分析する機会が多くあります。広告主の商品をヒット商品へと導くことがミッションだからです。

そうして、分析と広告制作を繰り返しているうちに、「売れている企画にはなんらかの法則性があるに違いない」と思うようになりました。そして、その分析をしていくことで、ヒット商品に潜む「ある共通点」を見つけたのです。

その共通点とは、「不満の解決」です。世の中のあらゆるヒット商品やサービスは、驚くべき発想や画期的な新技術だから売れているのではなく、潜在的に人の中にあった「不満」を解決しているからこそ売れているのです。

例えば、「ワイヤレスイヤホン」や「エアレスタイヤ(空気を入れないタイヤ)」「ウォシュレット」。この3つも一見、共通点はなさそうに見えますが、「人の不満を解決した発明」として見ると、つながりが見えてきます。

AirPodsに代表されるワイヤレスイヤホンは、ヘッドホンのケーブルが邪魔であるという不満を、エアレスタイヤは「タイヤはパンクするもの」という不満をそれぞれ解決しています。

ウォシュレットは、実は、アメリカの会社が開発したお尻を洗う機能がついた便座がベースになっています。これは紙でお尻を拭くと痛い人や、体が大きすぎてお尻がよく拭けない人のためのものでした。紙で拭くことに不自由を感じる人の不満を解決するために生まれたわけです。

その後、水温や温水が当たる角度などの不満を地道に解決していった結果、ヒット商品となりました。ウォシュレットの場合、発売当初は大多数の人が、「お尻を洗えないことが不満」とは思っていなかったかもしれません。

でも商品が出てから、洗えたら便利で気持ちよく、衛生的だということにみんなが気づいた。こうした大多数の人が「潜在的に抱えている不満」を解決する商品は、人々の生活を変え、大ヒットします。


アイデアの精度を上げる「3問思考」

さて、「不満」は売れるアイデアを生み出すための第一歩です。不満を書き出すのはアイデアの種を見つけ、さらにアイデアの数を生み出すには有効です。でも、その中で良いアイデアを選ぶのが難しい。

そしてそのアイデアをより「プラス」にして幸せを生むなど、ブラッシュアップをするのが、また難しい。しかし、実はこれも「型」で解決することができます。良いアイデアは、次の3つの問いに答えるだけで見つけられるし、育てられるのです。僕はこれを「3問思考」と呼んでいます。

1.それ、みんなの不満かな?
2.それ、相手はうれしいかな?
3.それ、誰かに話すかな?

実は、この「3つの問い」をクリアしたアイデアは、絶対に「売れるアイデア」になります。