インフレリスクに備え投資信託で分散投資を

続いて、WPPの二つ目のPに含まれる資産運用についてお話ししましょう。

資産運用には、大きく分けて、「リスクを取ってでも、大きな儲けを得るために行なうもの」と「お金の購買力を維持するために行なうもの」があります。

このうち前者については、改めて詳しく説明する必要はないでしょう。

私は、40代までであれば、ハイリスク・ハイリターンの資産運用を行なうのもいいと思っています。仮に失敗しても、まだ取り返しができる年齢だからです。しかし、50代に差しかかったら、後者の資産運用に移行するべきです。

「お金の購買力を維持するために行なう資産運用」とは、わかりやすく言えば、インフレリスクへの対応です。

今後、もしインフレになった場合、何もしなければ手持ちのお金の価値がどんどん下がっていきます。今は1万円で買える商品が、10年後には2万円になっている可能性もあるわけです。これが、お金の購買力が下がるということです。

インフレに備えるための資産運用として、私がお勧めしているのは、グローバルに分散投資ができるタイプの投資信託を、毎月定額購入することです。

世界経済は、一定の上がり下がりはありますが、基本的には成長し続けています。ただし、成長の度合いは地域によってばらつきがありますし、今後どの地域が成長するかを予測するのは難しい。難しいのであれば、世界中を対象として分散投資を行なっている投資信託を購入すればいいのです。

とはいえ、投資信託は価格変動リスクを免れることができません。事実、20年3月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界中で株価が大暴落し、グローバルに分散投資をしている投資信託も大幅に値下がりしました。

そうしたときに、精神的なダメージを大きく受けすぎて夜も眠れなくなるようなタイプの人は、投資信託での資産運用は避けたほうがいいでしょう。

そういう方にお勧めしたいのは、「個人向け国債 変動10年」です。これは、金利の変動に合わせて、受け取る利子の金額も変わってくる個人向け国債です。

物価が上昇するときには、多少の時間差はありますが、金利も同様に上昇していきます。ですから、この国債を持っておけば、お金の購買力の維持につながります。


運用は3割の損失が出ても耐えられる金額で

では、夫婦二人が持っているお金のうち、どれぐらいのお金を資産運用に振り分ければいいのでしょうか。

「個人向け国債 変動10年」については、余裕資金のほとんどを注ぎ込んでも大丈夫です。1年経てば解約は可能で、解約時には中途換金調整額が差し引かれますが、元本割れが生じることはありません。

一方、投資信託でグローバルに分散投資を行なう場合は、「自分が運用しているお金が、ごく短期間に30%程度減ったとしても耐えられる金額」が目安になります。耐えられるというのは、経済的な意味と精神的な意味の、どちらにおいてもです。

例えば300万円を運用していて、100万円の損が出たとします。そんなときに、「まあそういうこともあるよ。そのうちまた戻ってくるだろう」と考えられる人であれば、この運用額でも問題ないでしょう。

けれども、「100万円も失ってしまった!」と、ショックで何も手につかなくなってしまうのであれば、運用額を見直すべきです。