家計を支える人が亡くなった場合、残された遺族の金銭的な支えは「遺族年金」でしょう。ただし、遺族年金を受給できない人もいます。年金を受け取れるのか、どれくらい受給できるかを確認しておきましょう。

※本稿は、『PHPくらしラク〜る♪』2022年1月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。


遺族年金とは

家族の家計を支える人が亡くなった場合、公的年金からの遺族年金が金銭的な支えになるでしょう。

20歳から60歳まで全ての人が加入している「国民年金」からは「遺族基礎年金」が支給されますが、受給できるのは18歳までの子どもがいる場合のみ。また、亡くなった人が保険料の滞納をしていないことが必要です(死亡日の属する月の前々月までの1年間)。

受け取れる1年間の年金額は、配偶者と子ども1人の場合 100万5,600円、配偶者と子ども2人の場合123万300円となります。子どもがいない場合や子どもが全員18歳以上の場合は、遺族基礎年金は受け取れません。

会社員や公務員などの人が亡くなった場合には、遺族基礎年金に加えて「遺族厚生年金」が支給されます。こちらは、子どもの有無には関係ありません。

ただし、子どもがいない30歳未満の妻は、5年間しか受け取ることができません。年金額は、亡くなった方が将来受け取るはずだった「老齢厚生年金」の4分の3の金額。誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」から老齢厚生年金の金額が確認できるので、受給できる年金額も計算できます。


共働き世帯は注意。子どもがいなくて夫が55歳未満ならゼロ!

ここで注意をしたいのが、共働きの場合。特に、妻が厚生年金に加入して働いている時に亡くなった場合は注意が必要です。

まず、遺族厚生年金を夫が受け取ることができるのは、妻死亡時に夫が55歳以上の時です。さらに、夫が年金を受け取れるのは60歳以降。逆に夫が死亡した時は、妻は自分の年齢に関係なく年金を受け取ることができます。

妻死亡時に夫が55歳未満でも、18歳までの子どもがいれば、その子ども自身が、18歳になるまで妻(子からは母)の遺族厚生年金を受け取ることができます。

これらの遺族基礎年金、遺族厚生年金ですが、ともに受け取る人は年収850万円(または所得655.5万円)未満であることが必要です。残された配偶者が年収850万円以上であれば、受給の要件が揃っていても、遺族年金は受け取れません。

遺族年金は遺族にとって心強い年金です。イザという時に年金が受給できないということのないように保険料の滞納だけはしないように。どの程度の年金保障があるかも知っておくと安心です。


共働きで妻が亡くなったときの「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の扱い

●遺族基礎年金

・子どものいる夫 → 受給できる
・子どものいない夫 → 受給できない

●遺族厚生年金

・妻の死亡時に55歳以上の夫 → 受給できる
※ただし、60歳までは支給停止。子どもがいる夫は60歳前でも受け取れる。

・妻の死亡時に55歳未満の夫 → 受給できない
※ただし、子どもがいる場合は、子どもが受け取れる。