部下の「強み」を認め、「弱み」をフォローする

以上を踏まえ、本人の「強み」と「弱み」について話題を進めます。

まず本人の「持ち味」に着目してみましょう。本人が感じているこれまでに成果が上がったと思う仕事や、やりがいを感じた仕事は何か。一方、苦手なことは何かといった話題から始めて、話を深めます。本人の持ち味への光の当て方によって、強みと弱みが浮かび上がってくるものです。

大切なのは、部下本人が自覚している強みと弱みは何か、自己開示を促すことです。その上で、上司の認識も伝えながら、双方の意識をすり合わせていきます。

本人が気づいていない強みはしっかりと伝え、励まします。また弱みの指摘は本人を萎縮させがちですが、強みと表裏一体なことも多いので、個性として前向きに捉えさせた上で、より成長するための補強策を話し合うのが効果的でしょう。

部下の強みはさらに伸ばし、弱みは本人の努力と上司・同僚の協力で補強していくことが、支援型マネジメントの目指すところです。


将来への希望と期待をすり合わせる

以上の傾聴と対話を通して、部下の今後の仕事への希望や自己啓発の課題などが明らかになってきました。そこで、部下の意向を十分に踏まえながらも、上司としての期待を整理し、本人にしっかりと伝えます。

今後3〜5年の将来を見据え、部下にどのように成長し、活躍をしてほしいか。そのために、当面どのような役割や仕事を任せ、期待を持つのか。その実現に向けて、上司がいかにフォローしていくか。

日常の報連相や、定期的な打ち合わせや面談の位置づけ、部下の自己啓発への応援方法なども含めて、上司の関わり方も明らかにすることが大切です。


最初にやるべきは上司からの自己開示

上司は適宜適切な部下の支援を図るために、部下の仕事への思いや価値観、職場内外での関心事、また家庭の育児や介護など仕事に影響する事情や悩みなどを、よく理解しておくことです。その意味でも傾聴面談は好機となりますが、この傾聴が実際にはなかなか難しいものです。

研修で上司の皆さんに「部下の話をじっくり傾聴しましょう」とお話しすると、早速部下を呼び出し、根掘り葉掘りと事情聴取をしてしまう例があります。

しかし、部下からすれば、上司に呼ばれ唐突に「今の仕事をどう思うか」「将来のキャリアをどう考えるか」「プライベートで悩み事はないか」などと聞かれても、即答できません。

部下によっては上司に言いづらいことや知られたくないこともあるでしょう。そこに、上司が突然あれこれと畳みかけて質問すれば、警戒して身構えてしまうばかりです。

そこで、部下から話を聴こうとする前に、上司の方から自己開示をすることをお勧めします。自己紹介は自分から。まず上司自身がどのような考えや気持ちを抱いているのか、部下に対してオープンマインドで話すのです。

自分はこれまでどんな仕事の経験を持ち、どのような思いや目標を持って仕事をしてきたか。これからどのように職場や仕事に貢献したいかなど、飾らずざっくばらんに話します。

また、自分をよく知ってもらうためには、どのような人生を歩んできたか、趣味や家族のことなどプライベートも含めて話すとよいでしょう。

ただし気をつけたいのは、自分の強みや成果を語る武勇伝や価値観の押し付けにならないことです。むしろ、失敗談や苦手なことなど、弱みをさらけ出す話をしてみましょう。部下は上司への親近感を持ち、より自己開示しやすくなるものです。