自分でできる口腔ケアはこれだ!

歯周病やその先にある重大疾患を防ぐために、日々のセルフケアも大切です。よく、高価な歯ブラシや歯みがき剤を使えば歯周病にならないのかという質問を受けますが、それはあまり関係ありません。正しいブラッシングをすることが重要なのであって、"道具"にこだわるのはちょっと違います。

歯の形状は一人ひとり異なり、理想的な磨き方も個別に異なるので、歯科衛生士の指導を受けるしかありません。そもそも歯石や歯垢は、どんなに頑張っても自分では落とせないので、その意味でも定期歯科健診は重要なのです。

舌の表面には小さな突起が無数にあって、ここに汚れがたまり、ウイルスや菌の温床になります。専用の舌ブラシを使ってもいいし、それがなければ歯ブラシでも構いません。歯を磨く際には舌を磨くことも習慣にするだけで、あなたの口腔ケアの質は格段に高まります。


お口のケアは、がんのリスクも下げる

お口のケアが目指すのは「歯周病」の予防。なぜなら、歯周病は万病の元だから。すでに触れたとおり、歯周病は誤嚥性肺炎や認知症との因果関係が明らかになっていますが、それ以外にも糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞など「命に関わる病気」のリスクを高めることが分かっています。

しかし、誰もが一番恐れる病気と言えば、「がん」でしょう。じつは歯周病の人はそうでない人に比べて、がんになるリスクが1.24倍も高いことがわかっているのです。

歯周病で歯を失った人は咀嚼能力が低く、そうでない人に比べて消化器系のがんになりやすい、また食道がんの手術を受けた人の組織からは、高い確率で歯周病菌が検出される、という報告があります。

抗がん剤や放射線治療を行なったとき、歯周病の人はそうでない人より口内炎などの副作用が出やすいのも事実です。他にも様々ながんに対して歯周病がリスクを高める、とする研究報告が相次いでおり、最近ではがんの手術の前に歯周病を治療することで、がんの治療成績を高める取り組みも進んでいるほどです。健康長寿を実現する上で、口腔ケアは避けて通れないのです。


歯医者さんを上手に利用しよう!

「歯医者さん選びの基準」は何でしょう。一番重視すべき点は、コミュニケーション能力。その理由は、患者さん自身がその治療や検査の意味を理解し、納得しているかが、治療の成否や満足度を大きく左右するからです。

いま自分の口の中の状態はどうなのか、どんな治療や検査が必要なのか、その治療をすることで日常生活にどんな改善や変化が起きるのかを、患者さん自身が理解し、納得することが重要なのです。

そのための情報提供や話し合いができない歯科医院は避けましょう。優しい先生や怒らない先生はたしかに理想ですが、医療である以上、時には厳しいことを言わなければならないこともあります。

それでも受け入れて、納得して診療を進めていくには、何より信頼関係が不可欠です。そのためにも、コミュニケーション能力に長けた歯医者さんをかかりつけに持つべきなのです。