血管は、年を重ねるほどに弾力が失われて硬くなり、さまざまな病気を引き起こします。医学博士の池谷敏郎が、「血管の老化」を防ぎ、身も心も若返る暮らし方をご紹介します。

※本稿は、『月刊PHP』2022年1月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。


あなたの血管の老化度は?「血管の老化」セルフチェック

腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上……1点

日ごろ歩くことが少ない……1点

満腹になるまで食べてしまう……1点

生活のリズムが不規則……1点

完璧主義でイライラすることが多い……1点

階段や坂を歩くのがつらい……1点

下肢の冷えやしびれを感じる……1点

親きょうだいに心臓病や脳卒中になった人がいる……1点

現在、タバコを吸っている……1点

高血圧と診断された、またはその傾向がある……5点

糖尿病と診断された、またはその傾向がある……5点

脂質異常症と診断された、またはその傾向がある……5点

●合計5点以上なら血管が老化している可能性あり!!


「血管事故」が寝たきりの原因に…

日本人の平均寿命は、世界でも一、二位を誇ります。ですが、その「平均寿命」と、介護を受けたりせず自立した生活ができる「健康寿命」には、約10歳の差があります。

つまり多くの方が、人生の終わりの約10年間は、病気や障害に悩まされながら過ごしているということです。

日本には120万人を超える寝たきりの高齢者がいるとも言われますが、その原因の多くが「血管事故」によるものです。血管の老化は、健康寿命を左右する大きな問題なのです。


血管は若返る!

血管の老化とは、血管のしなやかさが失れ、血管壁が厚く、狭くなった状態です。これがいわゆる「動脈硬化」です。

動脈硬化が進むと、血液の流れがスムーズでなくなり、さらには血栓ができて詰まったり、血管が傷ついたりして、心臓病や脳卒中といった病気を引き起こします。

ですが、近年は研究が進み、「血管は若返る」ことがわかってきています。その効果的な生活習慣をご紹介しましょう。


血管を老化させる4大要素

下の4つは血管の大敵! 放置は絶対にNGです。

・喫煙

タバコには200種類以上の有害物質が含まれ、「血管事故」だけでなく、発がんリスクを高めます。タバコを吸っているだけで狭心症や心筋梗塞のリスクは、男性は2.9倍、女性は3.1倍に跳ね上がります。

・高血圧

高血圧とは、血管の内壁につねに高い圧力がかかっている状態です。血管の機能も低下し、動脈硬化の進行を招きます。また、血圧が急激に上下するのも血管にダメージを与えます。過度なストレスが体によくないのは、血圧を急上昇させるためです。

・脂質代謝異常

脂質には「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」があり、これらの数値に1つでも異常があれば、脂質異常症と診断されます。脂質のバランスには食生活や運動習慣が大きくかかわっており、予防のためには生活習慣の改善が不可欠です。

・高血糖

食後に上昇した血糖値は、すい臓からのインスリンの働きでもとに戻もどりますが、インスリンが正常に働かないと、高血糖状態が続くようになります。この高血糖状態は血管を老化させる原因です。血管壁のタンパク質に血液中のブドウ糖が結びついて「糖化」し、血管の内ない皮細胞ぼうを傷つけます。また動脈硬化も促そく進しんします。