子どもは突然走り出したり、転んで泣いてしまったりと、目が離せないもの。親はどのように対処すればよいのでしょうか。言語学博士の堀田秀吾さんによれば、まずは子どもの気持ちを理解し、共感してあげることが重要だそう。親子のコミュニケーションを円滑にする、おすすめのフレーズをご紹介します。

※本稿は、子どもの声かけ検討委員会(著)、堀田秀吾(監修)『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)より、内容を一部抜粋・編集したものです。


お悩み1. 軽いケガでも大泣きする

元気な子どもにケガはつきもの。でも、ケガをしたら子どもは痛くて痛くて、いっぱいいっぱい。痛みを否定せず、うまく受け入れさせるには、ちょっとした親の支えが必要です。

【言いがちフレーズ】
痛くない、痛くない

【おすすめフレーズ】
痛かったね〜

公園で追いかけっこをしていたら、転んでしまったタイチくん。ヒザを擦りむいて痛いのと、転んで恥ずかしいのとで、泣いてしまいました。まわりのお友達も心配してくれていますが、またそれが恥ずかしくて、涙が止まりません。

「だいじょうぶ?」
「血でてる〜いたい〜」
タイチくんは泣きやむどころか、ますます大声で泣きだします。確認してみたところ、かすり傷くらいで幸い大きなケガではなさそうです。


<解決策>大人の気持ちを押しつけない

たいしてケガや大きな痛みを伴わない転び方をした場合でも、子どもは大げさに泣いたり、わめいたりします。どうしてでしょう?

大抵の場合は、転んだことでびっくりして、その気持ちを落ち着けるために大人に慰めてもらいたい、自分に起こったことを知ってもらいたいと思うからです。甘えたい年頃なのです。しかし、同じような状況でも、我慢したほうがほめられること、得なことをわかっている場合には、子どもは泣きません。

言いがちフレーズの言い方は、「痛くない、痛くない」と、一見、子どもの気持ちに寄り添うように見せて、じつは大人の気持ちを押しつけているだけです。子どもとしては、「痛いもん! ママはわかってない!」と思ってしまうし、もっと寄り添ってほしい、わかってほしいと思ってしまいます。

そこで、おすすめフレーズのように、「痛かったね〜」と言えば、子どもの気持ちに寄り添ってあげられますし、子どもも共感してもらえて、大人に自分の状況や気持ちをわかってもらえて嬉しいと思うわけです。

終助詞の「ね」は、相手に寄り添う表現です。上手に使えば、相手の気持ちを理解している、共感しているということを伝えやすくなります。


痛みを否定せず、共感してあげる

体の具合や、心の具合によって、どこかを痛がって泣いたり、ダダをこねたりすることは、子どもはみんなします。痛みに強い子を求めすぎないであげて。我慢させすぎはよくありません。「男の子だから泣かない!」と言いがちですが、男の子だって痛みを感じるのは当然のこと。男女差をつけないように。

ケガや体の不調で痛みをちゃんと感じることは、人間として生きていくうえで必要な機能です。痛みを否定することで、痛みを感じることに罪悪感を抱かせずに、痛みを認めて共感してあげたい。痛みをちゃんと親に伝えられたことをほめてあげて。自分で伝えられたことはとてもいい成長の証。

【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・よしよし、ぎゅーしてあげる
・痛いね。でも大丈夫だよ