家事や育児に追われていると、ぐずったり聞き分けが悪いわが子に対して「なんでいつもそうなの」「お兄ちゃんなんだから」など、つい否定的な言葉で子どもを叱ってしまうこともあるでしょう。

公認心理師で産業カウンセラーとして活動する大野萌子氏は「人格否定されて育った人は心に深い傷を負い、大人になってからの人格形成に影響を及ぼすこともあるため、親はできるだけその子の「よいところ」を見て言葉を交わすことが大切」と、言います。

では、親として子どもの魅力や能力を伸ばして導くために、どんな言葉をかければいいのでしょうか。

大野萌子氏著『よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑』の中から、「親子の会話」で気を付けたい言葉について書かれた一節を紹介します。

※本稿は、大野萌子著『よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。


親の固定観念が、子どもの自由を縛る

私も含めて親世代の人で、「女の子なんだから」「男の子なんだから」と言われて育った人は多いと思います。

子どもの頃は、そういわれることに抵抗を覚えた人でも、自分が親になってみると「気がつけば同じことを言っていた……」という人もいるようです。

「女の子なんだから、そんな服は着ないで」「男のくせに泣かないの」と言われて育った子は、自分が好きなことややりたいことがあってもためらって、ブレーキを踏んでしまうようになります。

親の刷り込みの力は強く、よほど意識しなければなかなか取り除くことができません。そのため無意識のうちに古典的な価値観を引きずって、生き方や働き方も自分で枠を決めてしまいやすくなります。

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×よけいなひと言 「女の子(男の子)なんだから……」
◎わかりあえるひと言 「自分の好きなことを大事にしてね」
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そもそも「○○らしく」というのはその人の固定観念ですから、他人に強要してはいけません。子どもには子どもの選択の自由がありますから、自分が好きなことを大切にするように伝えたほうがいいでしょう。

性差で差別することなく、その子自身が選んだことで魅力や能力を発揮できるように導いてあげてほしいものです。

もし本人が迷っているなら、「自分の好きなことを大事にしてね」「自分がやりたいと思えることをしてね」と"本人の意思"を尊重しましょう。

「お母さんだったらどうする?」と聞かれたら、もちろん自分の意見を伝えるのは構いませんが、押しつけがましく言わないように。