早起きや運動など、健康管理において「めんどくさい」は生じがち。本稿では、作業療法士・菅原洋平氏の「めんどくさい」を消すコツとメカニズムについて書かれた書籍から、効果的に身体を動かす方法と効果にまつわる一説を紹介します。

※本稿は『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。


子どもと一緒に筋トレをすると効果が高まる理由

筋トレやストレッチは、あえて子どもを誘って一緒にやってみましょう。

子どもに口で動きを説明しようとすると、体のどこに力を入れればよいのか、どんな姿勢で行うのか、自分の体を使って振り返りながら考える場面が生まれます。

自分の体の動きを改めて意識し直すことができると、脳の中では運動が理屈をもってイメージ化されるので、感覚的に動いていたときよりもずっと鮮明なイメージになり、運動の精度や効果も上がります。


狙っていない筋肉も自然に鍛えられる?

単純に運動をするより、筋肉のつながりや関節の動きをイメージして運動するほうが、運動の効果が高まります。関節の動きは複数の筋肉で担われているので、狙った筋肉ではない筋肉でも運動はできてしまいます。

この狙っていない筋肉で運動が成立してしまうことを代償運動と呼びます。

例えば、ふくらはぎの筋肉を鍛えるかかと上げの運動。骨盤内、ももの内側、ふくらはぎというよい姿勢をつくる筋肉群が使えない人がかかと上げをしようとすると、小指側に体重がのり、足の裏が向かい合わせになるような動きをしてしまうことがあります。これも代償運動です。

効果的なかかと上げをするには、両足の裏の親指の付け根に体重が乗っていると感じることが条件です。


言語化すると技術は高まる

運動を言語化することは、手続き記憶を宣言記憶に変換する作業です。手続き記憶とは、自転車の乗り方のように、言葉では説明ができないけれど体が勝手に動く記憶のことで、宣言記憶とは言葉で説明できる記憶のことです。

自転車の乗り方を口で説明するのは難しいですが、自分がどうやって乗っていたのか、何に気をつけているのかを言語化できると、次に自分が自転車に乗ったときも、そのポイントに気をつけるので、説明した本人の技術が上達します。

手続き記憶は省エネに便利な機能ですが、徐々に代償運動になってフォームが崩れていくことには気がつけません。宣言記憶で運動の精度を高めて、手続き記憶をアップデートし続けましょう。