<<名だたる大手企業も続々と副業を解禁し、副業が当たり前の時代が始まりつつある。生活資金、老後資金などを個人が確保しなければならない時代背景から、副業に乗り出す人が激増している。

そんな環境の中でも、副業禁止の企業はまだまだ多い。副業支援を行う小林昌裕氏は、著書『サラリーマン副業2.0』にて、副業が本業にとってもメリットがあることを解説しつつも、副業禁止の企業に勤務する人が会社にバレてしまった例と注意すべきポイントも紹介している。ここではその一節を紹介する。>>

※本稿は小林昌裕著『サラリーマン副業2.0 人生が好転する「新しい稼ぎ方」』(PHPビジネス新書)より一部抜粋.編集したものです


副業で獲得したコミュニティが財産になり、本業にも良い影響が生まれる

副業を始めることで自身のコミュニティが広がり、そこで生まれた人間関係が本業にも役立つということもあります。

アマゾン物販、ウーバーイーツ、スキルシェアなど、副業の種類はさまざまですが、いずれも必ず人との関わりが出てきます。

スキルシェアでは生徒さんとの交流がありますし、アマゾン物販やウーバーイーツであっても、その気になれば仕事仲間と交流するチャンスが出てきます。

ツイッターやフェイスブックなどのSNSを通じて仲間を見つけて声をかければ、同業者ということで相手も興味を持ってくれます。

何もない状態でいきなり話を聞かせてくれと言ってもなかなかうまくいきませんが、相手と同じ土俵に立っていれば、仲間として情報交換ができるのです。

また、会社以外にもう一つのコミュニティがあることで、考え方も柔軟になります。

ある共同体では「当たり前」「常識」とされていることが、別の共同体では決して当たり前ではないというのは、よくあることです。

本業の会社の常識に染まって硬くなっていた思考回路が、副業の人間関係に触れることで柔軟になり、新たな発想を生み出しやすくなります。会社の人には相談しにくいことも、本業と関係のない人であれば、しがらみを気にせず話ができることもあるでしょう。

まさに副業で獲得したコミュニティが、もう一つの財産となるのです。


副業が会社にバレた人の失敗談

本業にいい影響ばかりある副業ですが、やり方に気を付けないと足をすくわれ、本業に支障をきたす可能性もあります。

最大の失敗は「何も行動しないこと」ですが、行動した先にも、想定外の出来事はいくつも起きます。そのことを象徴する例をご紹介します。

不動産関係の会社に勤めている内藤さん(女性)は、現在44歳ですが、40歳になったのを機に副業に興味を持ち始めました。

勤め先の職場では3年おきに全国転勤があるため、将来設計を考えたときに、「これでは大切な人のそばにいることができない」と気付いたそうです。慣れない土地で一から人間関係を築いていくことにも、負担を感じていました。

また、シフト制のため土日も関係なく働きます。友人と会う機会も減り、会社の人との付き合いが増えてしまい、自分の世界が広がらないことが、大きなストレスになっていました。

「会社にこれ以上依存するのは良くない」

そう危機感を抱いた内藤さんは、「アマゾン物販」を始めます。
もともと事務処理能力が高い人だったので、順調に収益を上げていきました。読書や登山といった趣味に時間を使うよりも、副業をしているほうが、得られる知識や刺激が大きいとわかり、ポジティブに副業をしていました。

自分の視野を広げるために始めた副業が、収入面でも精神面でもいい効果をもたらしたのです。

内藤さんは、当時の通勤時間は片道40分で、その間にスマホを使ってリサーチし、2〜3品ぐらいは目星をつけ、実際に仕入れていました。

同じ通勤時間でも、ボーッとしたりスマホゲームをしたりしている人も多いですが、こういうボーッとしたりダラダラしたりしている時間を削ると、意外に時間は作れるものです。

本当は昼休みにも仕入れをしたかったのですが、会社は副業を認めていなかったので、そこは注意して周りに誰もいないときだけスマホを取り出していたそうです。

こうして内藤さんは徹底的なリサーチで正しい仕入れを地道に続け、アマゾン物販は次第に軌道に乗ってきました。

問題が起きたのは、ちょうどそのころでした。副業をしていたことが、会社にバレて注意されてしまったのです。