ワールドミリタリー研究会『世界の「テロ組織」と「過激派」がよくわかる本』より

21世紀はテロの時代! テロ事件が右肩上がりで増えている理由は?

 20世紀は「戦争の時代」と呼ばれるように、国家間の大きな戦争がいくつも起こった。しかし、21世紀に入ってからは、大規模な戦争よりもテロが目立つようになっている。
 世界におけるテロの発生件数、死者数を見ると、2000年以降、ほぼ右肩上がりに増えており、2014年時点で発生件数は1万6000件以上、死者数は4万数千人に及ぶ。2000年時点の発生件数が約2000件、死者数が約5000人だから、すさまじい増加率だ。
この背景には、イスラム過激派の存在がある。
 2001年9月11日、オサマ・ビンラディン率いるアルカイダがアメリカで同時多発テロを起こし、3000人以上の死者が出た。これに対してアメリカをはじめとする多国籍軍はアフガニスタンやイラクをテロの温床とみなして攻撃したが、イスラム過激派はますます欧米諸国に敵意を燃やして、より激しいテロ活動を繰り広げるようになった。
 さらに2010〜12年、アラブ諸国で次々と民主化運動が起こり独裁政権が倒れると、それまで強力な独裁者によって保たれていた秩序が崩壊、政情不安に陥る国が続出した。その混乱がISなどのイスラム過激派が台頭する素地となった。
 テロ増加の要因としては、経済格差の問題も見逃せない。先進国と途上国との格差だけでなく、先進国内の格差も深刻化しており、貧困生活者の不満と敵意がテロに転化することがある。
 もうひとつ、技術革新の影響も大きい。インターネットはテロ組織のネットワーク化と新たなテロリストの勧誘に大きく貢献し、爆弾は小型化して遠隔操作が可能になった。こうした環境の変化がテロの激増につながっているのである。