◆7くせを封じて「いい性格」に導こう
 
お母さんの「心の7くせ」は子どもに影響を与えます。そのことを理解して、良い方向へ導くようにしましょう。
 
【くせ1 せっかちで自分中心】
世の中は自分中心に回っていると考えがちで、子どものペースに合わせられず、いつも急かしてしまいがち。でも、子どもがぐずぐずしているのには理由があり、体調が悪いのかもしれないし、悩み事があるのかもしれません。あるいは何かにとても関心があって動けないのかもしれないのです。そういった、子どもから発せられるシグナルを見落としたり、長所を見逃してしまう可能性があります。
まずは、自分のペースではなく子どものぺースに合わせ、子どもをよく観察するように心がけましょう。
その上で、もし急ぎたい場合には「あと30分で家を出るわよ」と時間を具体的に伝えたり、「お母さんは、あなたに急いでほしいの」と自分を主語にした言葉をかけるようにしましょう。
 
【くせ2 心配性でおせっかい】
子どもの世話を焼きたくなるのは親心。でも、心配のあまり、子どもの先回りをしておせっかいしていると、子どもの“生き抜く力”が育ちません。
人間は、「寒い」と感じると無意識のうちに手で腕をさすり、体を温めようとするものですが、これは“メタ認知”といって、とくに危険を回避するための本能的な行動で、社会を生き抜く上ではとても重要な意味をもっています。
ところが、お母さんが「寒いでしょ、服を着なさい」とか「ハンカチ持った?」などといちいち世話を焼くと、子どもは自分の本能が働く前に、するべき行動を提示されてしまうので、メタ認知が遅れてしまうのです。心配な場合は、「外は寒いわよ」「何を持って行くんだっけ?」と状況だけを伝え、どう行動するかは本人に考えさせましょう。
 
【くせ3 ガミガミ命令タイプ】
2のタイプと似ていますが、2が手取り足取り世話を焼きたがるのに対して、こちらは口出しをするだけ。自然とガミガミ口調になりがちです。「子どもをきちんと育てなくては」と考える、しっかり型のお母さんに多く、子どもに対してしつけ的な観念で接し、つい命令口調になってしまいがちです。
子どもは、ガミガミ命令され続けていると依存型の子になります。相手の意見を聞く=良いことだと思うようになり、自分がどうしたいのか考える習慣が身につきません。成長するにつれ、自分は何をやりたいのか、何のために生きているのかがわからなくなり、とくに思春期になると心が不安定になり、激しく反抗するようになります。
世話を焼きたい場合は5W1Hを聞く、たとえば「宿題はいつやる?」「明日、学校には何を持っていけばいい?」「部屋はどうやったらきれいにできる?」でOK。自分の頭で考え、プランできる子どもに育ちます。
 
【くせ4 さじを投げる放任型】
手のかかる子をもつお母さんに多く見られるタイプ。ちゃんとしつけたいのに全然言うことをきいてくれないと、どうしていいかわからず、「もう知らない!」「置いていくわよ!」と、突き放すような言葉を発してしまうのです。
ただ、それでは子どもは自分の何がいけないのかわかりません。しかも、お母さんに「知らない」「置いていく」と言われると自分を全否定された気がして、自己肯定感が下がってしまうのです。
手のかかる子も、きちんと説明してもらえれば叱られる理由がわかります。「もう知らない!」ではなく、「手を洗いなさい」「静かにしてね」と行動を的確に指摘し、それをだんだん声を大きくしながら3回言って、ストップ。4回めからは、子どもは聞いていません。でも、3回言われた言葉は心に引っかかっているのでじんわりと効き、半年後、1年後には叱られる前に手を洗ったり、静かにするようになっていきます。
 
【くせ5 決めつけ型】
「あなたはダメなんだから」「だらしないわね」「おっちょこちょいなんだから」と、一方的に決めつけるような言葉を発してしまいがち。それは、忙しくてつい言葉をはしょってしまったり、あるいはボキャブラリーが乏しくて子どもにどう伝えていいかわからないという理由からかもしれません。でも、それでは4のケースと同様、子どもは何を叱られているのかわかりません。
ただ、お母さんがそう言うなら「自分はダメな子なんだ」「だらしないんだ」「おっちょこちょいなんだ」と思い込み、人格を否定されたように感じてしまいます。すると自己肯定感が育ちません。
叱るときは、人格を決めつけるようなひと言ではなく具体的に。たとえば、洋服の着方がだらしがなかったとしても、その子のすべてがだらしがないわけではありません。「その洋服の着方はちょっとだらしないね」というように、行動を指摘して注意してください。
 
【くせ6 すべて「自分が基準」タイプ】
1回め「落ち着きなさい」、2回め「あなたはいつもそうなんだから」、3回め「そんなことだと、この先、困るわよ」......というように、叱るときについ過去(いつも)と未来(この先)のことまで言ってしまいがち。子どもを心配するあまりのことなのですが、とくに「いつも◯◯なんだから」は、子育てにおいて禁句。子どもの心に「自分は◯◯な子だ」と刷り込まれてしまうからです。
「いつも◯◯」が口ぐせになっているお母さんは、まじめで優秀な人。そんなお母さんには「いつもそわそわしている」と感じられる子も、いろいろな子どもがいる中で見たら、それほどではないことがほとんど。とくに幼い頃は、みんな落ち着きがないものですが、成長とともに集中力がついてきます。落ち着きがない=好奇心が旺盛なのかもしれず、将来的にマイナスになるとは限りません。叱るときは、自分の基準は横に置いておき、目の前の行動・行為を指摘するだけで止めておきましょう。
 
【くせ7 アメとムチ型】
何とかして言うことをきかせたい、やる気を起こさせたい......、というときに、何かごほうびで釣ろうとしたり「〜しないと、もうゲームは禁止するわよ」と脅すようなことを言ってしまいがちなのは、ひょっとすると自分自身もそう言われて育ったからかもしれません。
アメとムチ型は、たしかにすぐに効きます。でも、子どもが言うことをきくのはその瞬間だけで、継続性がありません。だから、お母さんはずっと同じことを言い続けなくてはなりませんし、子どもの要求もエスカレートします。
子どもの成長に必要なのは、ごほうびや脅しではなく、愛情。お母さんはあなたのことをいつも見ているよ、ということを伝える言葉が、子どもにとっては一番の宝物。「がんばってるね」「昨日より◯◯できるようになったね」と励ましてもらっていると、お母さんの言うことをきこうと思いますし、何でも恐れずチャレンジする子になります。
 
◆7歳〜 自分を正しく評価できるように
 
小学校に入ると、必然的に評価される機会が増えますので、他人と比べず子ども自身の成長を見守りましょう。たとえば、テストで80点を取ってきたら「どうして100点とれなかったの?」と言いたくなるかもしれませんが、前回が60点だったとしたら「前より20点も上がったね」、お片づけをしたら「えらいね」ではなく「きれいになったね」、かけっこで1位をとったら「すごいね」ではなく「速かったね」と伝えましょう。
子どもの行動の変化や結果をそのまま口に出して伝えると、子どもは自分自身を正しく評価できるようになります。
 
(出典:「PHPのびのび子育て」6月号)