ここ数年は低迷しているが、かつては多くの高視聴率番組を抱え、“民放の雄”として君臨したフジテレビ。人気女子アナも数々と輩出したが、フジテレビの“女子アナ帝国”を確固たるものにしたのが、1988年入社の有賀さつき、河野景子、八木亜希子の「花の三人娘」だろう。

 彼女たちは入社早々テレビ誌の巻頭グラビアに登場するなど、新人アイドルさながらの“グループ活動”で知名度を高めた。その人気ぶりは凄まじく、各局の採用戦略にも大きな影響を及ぼした。女子アナに詳しいフリー編集者・練馬太郎氏が語る。

「アイドルでも3人組はタイプの違う女性がバランス良く揃うため、様々なファンを取り込みやすい。フジの三人娘は、天然アイドル系の有賀、清楚な美形の河野、癒し系の八木とそれぞれの魅力があった。当然、負けていられない他局はその“パターン”に乗っかったわけです。

 一番分かりやすかったのが1992年に日テレ開局40周年企画として、永井美奈子、薮本雅子、米森麻美の3人で結成された歌手ユニット『DORA』ですね。系列局である大阪・讀賣テレビ放送でも植村なおみ、脇浜紀子、徳山順子で『NORA』というユニットが結成されました」

 とはいえ毎年必ずバランスの良い3人が揃うわけではない。本家であるフジが次に「新・三人娘」として打ち出したのは1994年のことだった。

「アイドルの木佐彩子、天然キャラの富永美樹、クールビューティ系の武田祐子の3人ですね。彼女たちはCDを出したわけではありませんが、局の広報番組などに積極的に出て、三人三様のキャラ設定で活躍した」

 テレ朝も2008年に竹内由恵、本間智恵、八木麻紗子を新人三人娘として売り出したが、その後も積極的に「三人娘戦略」を続けたのが日テレだ。2004年には森麻季、鈴江奈々、脊山麻理子の3人で「エンパラ☆ガールズ」を結成。2008年の開局55周の際にも鈴江と葉山エレーヌ、夏目三久の3人のユニットで「go!go!ガールズ」が結成された。しかし、ここ10年ほどは目立った“グループ活動”は実施されていない。

「やはり、日テレの “脱タレント採用”の影響が大きいと思います。最近はおっとりとした女子アナが増えましたし、かつてのように華々しいユニットは出てこないでしょう」

 各局とも女子アナの採用数を絞っていることも「三人娘」不在の時代の要因と言えるだろう。(文中敬称略)

※週刊ポスト2020年1月17・24日号