今から50年前、1970年のお正月にドラえもんは“誕生”した。『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』〜『小学四年生』の6誌同時に連載がスタートすると、瞬く間に、国民的キャラクターに“成長”。

「ひみつ道具」や「四次元ポケット」など未来への夢と希望が詰まった“ロボット”はいつの時代も子供たちから愛され、大人になってもなお心の拠り所のような存在だ。

 そんなドラえもんの誕生秘話が明かされたのは、23年ぶりに発売された新刊『ドラえもん第0巻』。発売前から大きな話題になったこの最新刊から人気の秘密を紐解き、メモリアルイヤーをより一層楽しもう。

 実は、国民的キャラクター・ドラえもんの誕生の瞬間はギリギリのドキドキだった。児童誌での人気連載『ウメ星デンカ』の終了とともに掲載されたのは引き出しから飛び出す“何か”。実は予告掲載の時点でまだドラえもんは誕生していなかった。

 キャラクターがまったく登場せず机の引き出しから「出た!」と大きく描かれ、のび太が驚いて逃げ出す様子を描いた予告は、読者から大きな反響を呼んだ。“いったいどんなキャラクターが…”と子供たちは楽しみにしていたはず。だが実は、この時点でドラえもんはまだ生まれていなかったのだ。

 こうしたドラえもん誕生の裏話が描かれた『ドラえもん誕生』も第0巻には収録されている。(初出『コロコロデラックス ドラえもん 藤子不二雄の世界』(1978年11月発行))

「予告さえ出してしまえば何か浮かぶかも」と思っていた藤子・F・不二雄先生だが、アイディアは一向に浮かばず、通勤していた小田急線の中でもあれこれとギリギリまで思いを巡らせていたという。編集者は「だいたい先月号にこんな無責任な予告をのせたのが悪かった」と言うと藤子・F・不二雄先生も「そう! その予告はまずかった」と困惑気味。

 寝ても覚めても考え続け…思わず人形につまずいたその時こそが、ドラえもん誕生の瞬間だった。娘さんが大好きだった人形と猫がヒラメキにつながったのだ。

※女性セブン2020年1月16・23日号