新型コロナウイルスの感染拡大による自粛生活で、芸能人も活発な行動ができなくなっている中で、ひっそりと大きな決断をしたお笑い芸人がいる。たむけんこと、たむらけんじ(47才)が、この春から所属先の吉本興業とエージェント契約を結んでいたことが分かった。同事務所では、極楽とんぼの加藤浩次(51才)とロンドンブーツ1号2号の田村亮(48才)、友近(46才)に続いて4人目だ。

 エージェント契約とは何か。大まかに言えば、従来の「マネジメント契約」では事務所はタレントのスケジュールなども管理していくが、「エージェント契約」では事務所が仕事の獲得は行うものの、スケジュール調整やマネージャーの雇用、リスクマネジメントなどはタレントが個人で行うという。

 たむらと吉本との交渉がスタートしたのは昨年末。当時、たむらはSNSで〈吉本興業に入って27年、まさか会社とこんな対等な話し合いをさせてもらえるなんて夢のようでした〉と報告をしていた。しかし、年が明けた1月6日の2回目交渉時には〈マジか。。。何も変わってへん。。。のか???〉と、吉本に対して不満を抱えているかのようなコメントをSNSに残していた。そこからも交渉は続き、この4月にエージェント契約に切り替えたという。

 そもそもたむらは、実業家と芸人を両立させる“ハイブリッド芸人”として知られる。15年以上前から焼肉店の経営を続け、今では中古車販売、ペット関連ビジネスと手広く事業を拡大。この3月からは、かつての恋人の鈴木紗理奈(42才)と「さりけんちゃ〜ンネル」という“カップルチャンネル”をYouTubeでスタートさせると、4月からは個人チャンネルも開設。以来、毎日のように配信し続けている。テレビ局関係者が語る。

「最近のたむらは、実業家としての仕事が本業で、芸人活動は宣伝になってきている。東京でのレギュラー番組はなく、芸能活動のみではあまりお金になっていない。今回のエージェント契約は、お笑いよりもビジネス重視のたむららしい判断といえるでしょうね」

 そんなやり手ゆえ、加藤や亮との違いも指摘されている。

「加藤さんは、去年7月の吉本の闇営業問題の渦中でエージェント契約を提唱した張本人。亮さんは、相方の淳さんが気を遣って“禊”の意味合いで契約を見直した、という明確な理由がありました。たむらさんの場合は、そうしたやむを得ない状況ではない。どうも“後輩芸人たちに新しい芸人像を見せるため”という大義を持っているのではないか、と周囲は見ています」(後輩芸人)

 一方で、別の狙いもあると見るのは関西のお笑い関係者。

「実はたむらさんは、かつては政治家への転身を考えていると言われていました。東京では獅子舞片手の一発屋芸人の印象ですが、関西のテレビ界では一定の評価がある。やしきたかじんさん(享年64)や上沼恵美子さん(65才)のような座を狙えるとも評されています。より独立性の高い契約に変えたことで、自由に発言、行動できる立場となったわけで、今後、華やかな転身を発表する可能性もありますね」

 吉本興業に取材依頼をしたが、期日までに回答はなかった。

 敏腕経営者だけに先を見越しているようだが、この決断の影響は、今後の数年間ではっきりしていきそうだ。