『冬のソナタ』でぺ・ヨンジュンの微笑みに主婦たちがメロメロになっていた2004年、本誌・週刊ポストでもチェ・ジウの涙にハマる編集部員が続出。彼女に続く次なるスターを発掘すべく記者は韓国に飛び、出会ったのが22歳のソン・イェジン──Netflix配信ドラマ『愛の不時着』で主演を務めることになる新進女優だった。

 2月に配信開始された同作は世界的な大ブームとなり、全国紙も相次いで特集記事を掲載。橋下徹氏やテリー伊藤氏など著名人もファンを公言するなど、社会現象となっている。

 38度線をまたぐ舞台設定や映画並みのスケール感など、『愛の不時着』のヒットの要因はいくつも挙げられるが、中高年男性ファンは「ソン・イェジンが最高!」と声を揃える。

 本誌は16年前、まだ若手女優だった彼女に韓国で密着取材を敢行していた。当時の彼女は『冬のソナタ』のユン・ソクホ監督の“四季シリーズ”第3弾『夏の香り』に主演し、韓国内で地歩を固め始めたばかり。ユン監督が「センスの良さはズバ抜けている」と評価していたことを本人に告げると、頬を赤めた。

「そんなに褒めていただいて恥ずかしい。でも、こんな性格の私がいろんな役を演じられる女優という仕事はとっても楽しいんです」

 もともと内向的な性格だったという彼女は、中学生の時、「演技をすれば違う世界を覗ける」と思い立ち、女優を目指したという。

「うまく表現できずにストレスが溜まる時は、映画を観たり、ショッピングをしたり。お酒は焼酎やワインを少しだけ。飲むよりその場の雰囲気が好きなので、友達とおしゃべりしてリフレッシュしています」

 外見も言動も、“ジョンスンミイン(清純美人)”そのものだった彼女は、その後コメディや不倫モノにも出演し、清純派から脱皮。数々の女優賞を受賞し、国民的女優の地位を築いた。

 韓流ドラマに詳しい田代親世氏も『愛の不時着』での彼女の熱演にハマったという。

「コミカルに演じたかと思えば、一瞬で涙のヒロインにもなれる。何パターンもの演技を提案するなど監督の信頼も厚く、彼女のキャリアの集大成と言えます」

 22歳の美貌に“不時着”──記者は感無量である。

【PROFILE】ソン・イェジン/1982年1月11日生まれ。165cm。ソウル芸術大学映画学科卒業。2001年『おいしいプロポーズ』でドラマデビュー。ドラマ『夏の香り』(2003年)のほか、映画『私の頭の中の消しゴム』(2004年)や、ペ・ヨンジュンと共演した『四月の雪』(2005年)で日本でも広く知られた。年下男子との恋愛を描いたドラマ『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』(2018年)では“綺麗なヌナ(お姉さん)”現象を巻き起こした

●撮影/藤岡雅樹

※週刊ポスト2020年7月24日号