少年隊の錦織一清(55才)と植草克秀(54才)が、ジャニーズ事務所から退所することが発表された。ジャニー喜多川さんが「ぼくの最高傑作」と語った少年隊について、放送作家の山田美保子氏が語る。

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歌やダンスのスキルがずば抜けていた「別格」グループ

「少年隊」の錦織一清サンと植草克秀サンが今年いっぱいでジャニーズ事務所を退所。でも「少年隊」というグループ名は「残る」という発表が9月20日、ありましたね。ジャニー喜多川さん(享年87)は「少年隊」のことを「ぼくの最高傑作」とおっしゃっていたそうです。それは、A.B.C-Zの舞台『ジャニーズ伝説』を見ていても、わかることでした。

 同舞台は、ジャニーズ事務所の第1号グループである「ジャニーズ」のアメリカ進出がメインで描かれているのですが、作品内で紹介されるジャニーさん所有の秘蔵VTRの中に、もっとも登場しているのは「少年隊」とお見受けしました。

 人気絶頂のときにアメリカに渡るも、約束していた日本での仕事をするために帰国。その後、本当なら自分たちが歌うハズだった「Never My Love」が別のアーティストのものとなり、全米チャートで1位を獲得したというエピソードをジャニーさんが公にしたのは『ジャニーズ伝説』の初演前のことでした。本格的な全米進出はジャニーさんの悲願ともいっていいことであり、その想いを背負って「少年隊」は数多くの海外のテレビ番組に出演したものです。

 1980年、田原俊彦サン(59才)のデビューと共に、男性アイドルのNo.1事務所として席巻してきたジャニーズ事務所さんにあって、「少年隊」は、そのネーミングからして「別格」でした。歌やダンスのスキルがずば抜けていて、アップテンポな曲からスローバラードまで、大ヒット曲もたくさんありました。

 ショーということでは、青山劇場で行われていたミュージカル『PLAYZONE』が秀逸でしたね。ジャニーさんの演出のこだわりが、青山劇場の天井の設計まで変えてしまったことは有名な話。堂本光一クン(41才)の『Endless SHOCK』や、滝沢秀明クン(38才)の『滝沢歌舞伎』『滝沢演舞城』などの演出の原点は『PLAYZONE』にあったと言っても過言ではありません。

「青山劇場」『PLAYZONE』と言えば個人的に大切な想い出があります。10周年イヤーに入ったKis-My-Ft2の北山宏光クン(35才)、藤ヶ谷太輔クン(33才)、玉森裕太クン(30才)が主演で、千賀健永クン(29才)、宮田俊哉クン(32才)、横尾渉クン(34才)、二階堂高嗣クン(30才)も並んで出演していた『PLAYZONE 2009 太陽からの手紙』です。

 ありがたいことに、事務所のかたからお誘いいただくも、当時、ジャニーズJr.のことをあまり知らなかった私は「どうしよう」と行くのをためらっていました。が、同舞台は「ニッキの初演出」と聞き、「ならば」と行かせていただいたのです。そこで“キスマイ沼”にハマり、暑苦しく応援し続けているのは、「山田EYEモード」を読んでくださっているかたはよ〜くご存じですよね?

 その『太陽からの手紙』の千秋楽、キスマイのメンバーに呼び込まれて「演出・錦織一清」が舞台に現れたのです。そのときニッキはゴルフウエアに身を包み、キャディーバッグを背負っていました(笑い)。ニッキならではのシャレなのですが、キスマイメンバーは「稽古を見てくれなくて、すぐゴルフに行っちゃう」などと大先輩にツッコんでいました。そのとき思ったのは、すでにニッキはアイドルを卒業し、自由にやっているんだなということでした。

 今回、退所挨拶のメッセージで自身を「甘えん坊」と表現したニッキ。どういうところをそう思っていたのかわかりませんが、私は、ニッキほど男気にあふれた人はいないと思っていました。ジャニーズ事務所を出て2002年に再結成した「フォーリーブス」のコンサートを訪れ、「フォーリーブスさんがいなかったらいまのぼくはいない」と舞台で明言したニッキ。青山孝史さん(享年57)や北公次さん(享年63)の葬儀に自分の名前で供花を贈っていたのもニッキだけでした。

ジャニーズ事務所の「社歌」ともいえる『仮面舞踏会』

 そしてカッちゃん。最後に彼の姿を間近で見たのは、2015年、『Endless SHOCK』で前田美波里サン(72才)がけがで降板され、急遽、代役として呼ばれたカッちゃん。これまでにも「オーナー・ウエクサ」として出演していたとはいえ、完璧にこなし、カンパニー(劇中のエンターテインメント集団)にもハイスピードでなじんだカッちゃん。やはり、舞台にこだわり続けたジャニーさんの最高傑作の1人ということですよね。そして、「Show must go on」(=何があってもショーを続けなければならない)をカッちゃんは見事に体現してくれたワケです。

『さすらい刑事旅情編』(テレビ朝日系)や『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)のカッちゃんも大好きでした。ああやって大人の俳優さんの中にジャニーズが入っても「しっかり、やっていける」という道筋を作ってくれたのはカッちゃんだったのではないかと思います。

 そしてヒガシです。実は、いちばんインタビューさせていただいたのはヒガシで、直近では『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)のスタジオに行かせていただきました。いつ会っても「いつもお世話になってます」と言った後、周囲のかたたちに「山田サンには本当に長年よくしていただいて」などと声をかけてくださり、お礼状などもキッチリされています。

 後輩に背中を見せてきた……という点で「少年隊」の3人は全員が、それにあたるのですが、「カウコン」(=カウントダウンライブ)をはじめ、後輩たちがヒガシと一緒に『仮面舞踏会』を歌うときの見事に揃ったダンスと、彼らの誇らしい顔を見るのが私は本当に大好き! そのたびに「ジャニーズ、ここにあり」と思うのです。10代の頃と変わらぬスタイルで、週3〜4でジムに通い、「少年隊の東山紀之」であり続けるヒガシを心から尊敬します。

 そんなヒガシの周辺から聞こえてきていたのは、デビュー35周年の記念イベントの話でした。周年をとても大事にしてくれる事務所が、それを考えていなかったハズはなく、日々、事務所のかたと話す機会がもっとも多いヒガシは前向きだったと予想されるのですが……、ニッキやカッちゃんの気持ちはどうだったのか。この先、ライブはあるのかないのか、とても気になります。

「少年隊」が、ジャニーさんの最高傑作ならば、『仮面舞踏会』は、ジャニーズ事務所の社歌のようなもの。もう一度、3人が『仮面舞踏会』を歌う姿がどうしても見てみたいです。それがなかったとしても、最強の3つの個性が切磋琢磨した「少年隊」という最強グループは、後輩たちにとって憧れであり不滅の存在として輝き続けることに間違いありません。 12月にリリースされるベストアルバムや『PLAYZONE』の未収録部分も入るDVD-BOX、必ず買わせていただきます!

■構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキング』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2020年10月15日号