毎年、ワイドショーにとって恒例となっている正月の芸能人ハワイ取材。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で行われない可能性が高いという。

「今回のお正月は当然、中止ですね。コロナの影響もあって海外に行く取材は今はほぼやってないですから」(あるワイドショースタッフ)

 ハワイでは、新型コロナの感染拡大の影響をもろに受けている。今年8月にハワイを訪れた人の数は、2019年の同時期と比べて約98%減少。そんななか、ハワイ州ではこれまで州外の訪問者についてホテルなどでの14日間隔離を求めていたが、10月15日からこの基準を緩和。アメリカ国内からの観光客については、陰性証明書があれば隔離を免除し、受け入れを再開し始めた。そして、日本からの観光客についても、条件を満たせば今後隔離が免除される方向で調整が進められているという。

「ただ、年末までに行けるようになったとしても日本に帰ってから2週間は“外出禁止”となってしまう。多くの日本人にとってもそうだと思いますが、多忙な芸能人がそこまでしてお正月に行くとは考えにくいですから」(前出・スタッフ)

 毎年、正月のハワイで取材を続けてきた芸能リポーターの井上公造さんもこう言う。

「ボクも行きません。取材したい気持ちはありますが、日本からハワイへの入国が許可されたとしても手続き上のハードルがあるでしょうし、帰国後に“外出禁止”となるのでは、他の仕事に影響しますからね。それに、空港の人混みの中で取材するのはマスコミ側にもタレントさんにもリスクがありますし。

 取材ができたとしても、コロナがこんな状況なのに、“今年の抱負は?”なんて聞くのもタレントさんに失礼だと思うんですね。お正月のハワイは、テンションが上がっている状況のなかでインタビューするから興味がわくのであって、今回はそうはならないでしょう。行くタレントさんもいると思いますが、いつものようにマイクを向けることは、ボクにはできないですね」

 かつて、正月のハワイは芸能人にとってはひとつのステータスだった。年末年始には多くのスターたちが訪れ、ホノルル国際空港(現・ダニエル・K・イノウエ国際空港)に到着した芸能人を、日本から乗り込んだ大勢の芸能マスコミが取り囲んだ。テレビ局、スポーツ紙、週刊誌など、あらゆるメディアが空港の出口で待ち構えた。しかし、次第に変化が――。

「タレント側も年末年始の休暇はオーストラリアやヨーロッパなどに行くのが主流になってきました。以前は“撮られてナンボ”と考える人が大物芸能人を含めて多かったですが、今は“せっかくの休みにわざわざマスコミが待っているハワイに行かなくてもいい”と考える人が増えてきたのです」(スポーツ紙芸能記者)

 芸能マスコミも次々と撤退していった。最近では、限られたテレビ局のみになり、そのテレビ局も経費削減の流れもあって、少数のスタッフだけ派遣し、あとはハワイの現地スタッフに外注するケースがほとんどになった。そんななかでも、井上さんはこれまで延べ25回以上、正月のハワイ取材を続けてきた。井上さんは、今後についてこう語る。

「渡航ができるようになったとしても、今回だけじゃなく再来年以降、テレビ局がこの取材自体をやめる可能性は充分あると思います。以前はテレビ局でも年間10回近く海外取材をしていたこともありましたけど、今は取材にそんなにお金をかけられなくなっています。今回のコロナがこの正月の取材をやめるきっかけになるかもれません。

 ボク自身、ちょうどいい区切りかなと思っています。ここ最近は、年末年始のハワイに取材に行っても、映像素材をマスコミ各社に提供して経費を差し引けば“もうけ”は全くと言っていいほどありません。伝えることには確かにやりがいはありますが、仕事としてやっている以上“持ち出し”でずっと続けられるわけではないですから」

 そのうえで、「ハワイには取材の原点があった」と複雑な気持ちも吐露する。

「師匠だった梨元勝さんがずっと行っていましたしね。いつもはインタビューに答えてくれない人が答えてくれたり、家族や夫婦で出てくれるタレントさんもいらっしゃいます。タレントさんの“素”が見えるという意味では、ほかの場所では味わえない取材だと感じています。ボクとしてはそうした取材の場がなくなってしまうのは正直、非常に残念です」

 コロナは芸能マスコミの恒例の取材にも大きく影響を与えているようだ。