ロックバンド・BUMP OF CHICKENの新曲「アカシア」が、10月12日付のBillboard JAPANダウンロード・ソング・チャートで第1位を獲得した。『ポケットモンスター』とのコラボレーションMV「GOTCHA!」が話題を呼び、人気に火が着いた形だ。現在30〜40代の世代にとって青春時代を彩った“バンプ”は、なぜここまで息の長い活躍をできているのだろうか。その背景には20年近くにわたって彼らの楽曲がアニメで重宝されてきたことが関わっているようだ。

 小中学校の同級生4人によって1996年に結成されたBUMP OF CHICKENは、2000年にメジャー・デビューして以降、数々のアニメとのコラボレーションを果たしてきている。

 2003年に映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の主題歌として「sailing day」が使用されたことは当時大きな反響を呼んだ。2006年にはPlayStation 2用ゲームソフト『テイルズ オブ ジ アビス』の主題歌として「カルマ」が使用され、後にテレビアニメ化された際もオープニングテーマとして同楽曲が使用されている。

 2011年には映画『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』の主題歌として「友達の唄」が使用されている。その後も『血界戦線』や『GRANBLUE FANTASY The Animation』、『3月のライオン』、『重神機パンドーラ』、『からくりサーカス』といったテレビアニメのオープニングテーマとしてBUMP OF CHICKENの楽曲が使用されてきた。

 そして2020年は、アニメ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』の主題歌として「Gravity」が使用されたほか、冒頭で述べた『ポケットモンスター』とのコラボレーション曲「アカシア」のヒットにより、再び注目を集めている。

 アニメソングに詳しいアニソンライターの河瀬タツヤ氏は「バンプとアニメ作品が最も強い部分でシンクロしているからこそ、楽曲の説得力が何倍にも膨れ上がる」とその理由を説明する。

「バンプの曲を聴いて青春時代を過ごした人たちが主題歌をオファーする側になっていったという側面もあるでしょうが、バンプの4人は元々学生時代からアニメ・漫画・ゲームといったサブカル文化を嗜んでいた方々です。彼らの初期の楽曲『アルエ』が『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイをテーマに作られたというエピソードはあまりにも有名ですし、ベースの直井(由文)さんが超が付くほどのアニソン好きなのは、ファンの間ではおなじみです。

 例えば2018年から2019年にかけて放送されたアニメ『からくりサーカス』の主題歌『月虹』では、主人公たちの視点だけでなく、作中のとある重要人物の心情そのものを歌っているのではないかと、作品ファンの間で話題になりました。

 アニメファンは、“主題歌が作品に合っているか”という点にはとても敏感で、どんな有名アーティストが歌っていたとしても、作品に合っていなかったら『あれはアニソンじゃない』とまで言い切ってしまう人もいるくらいです。そんなこだわりの強い人たちをバンプがどうやって納得させ感動させているかと問われれば、それはオファーをもらった作品に対して誠実に向き合っているからに他なりません」(河瀬タツヤ氏)

 BUMP OF CHICKENは“アニソンバンド”としても不動の地位を築き上げているようだ。

●取材・文/細田成嗣(HEW)