テレビアニメ『鬼滅の刃』オープニングテーマ『紅蓮華』に続き、劇場版主題歌『炎(ほむら)』も大ヒット。間違いなくLiSAは、日本で今年もっとも歌声を耳にした歌手だろう。彼女の快進撃で湧いているのが、中日ドラゴンズのファンだ。

 岐阜県出身のLiSAは、同球団のファンに囲まれて育った。今年3月、楽曲『マコトシヤカ』が中日を応援するCBCテレビ・ラジオ野球中継のテーマソングに起用されたことをきっかけに野球について勉強していくうちに、すっかり自身もファンになったらしい。Twitterではドラゴンズの話題を出すことも多く、同球団が10月15日に行われた阪神戦でサヨナラ勝利を決めた際は、〈やったーーーーーーーーー!サヨナラーーーーーーーーー! すごすぎーーーーーー(会社で大絶叫で扉閉められた)〉と大興奮でツイートしていた。

 11月4日にナゴヤドームで行われた横浜DeNA戦では始球式に登板し、ノーバウンド投球を披露した。その後の試合は5-4で勝利し、LiSA は見事“勝利の女神”に。Twitter上では「LiSAさん」がトレンド入りを果たし、「LiSAを見るために初めてナゴヤドームに来た」「LiSA目当てで久々の野球観戦」といった声も少なくない。

 どうやらLiSAはドラゴンズの盛り上がりに一役買っているようだ。ドラゴンズのマスコットキャラであるドアラも試合後、ブログでLiSAとのツーショットを披露し、〈今話題の人なので盛り上がってました〉と伝えている。

『中日ドラゴンズあるある』などの著書があり、自他ともに認めるドラゴンズファンのライター・大山くまお氏は、「LiSAさんのことを多くのドラゴンズファンは大歓迎しています」と語る。

「8月末にドラゴンズ応援ソング『マコトシヤカ』のMVが発表されたのですが、アップテンポな曲にあわせて、実にカッコよくドラゴンズの選手たちの姿が映し出されていました。まず、これでドラゴンズファンのハートは撃ち抜かれました。ただ、これだけではよくできたコラボにすぎません。彼女が本当にドラゴンズを愛して応援してくれている姿がしっかり伝わってきているので、ドラゴンズファンは共感しているのだと思います。

 試合中継の副音声に出演してくれたときも終始明るくポジティブなトーンで応援してくれましたし、普段の試合でもTwitterで試合展開にあわせて一喜一憂している声を届けてくれています。頼り甲斐があるナイスガイとして知られる主砲のビシエド選手が好きだというところも、『さすが、よく見ている!』という感じがします。

 又吉克樹投手がLiSAさんと2ショット写真を撮ってもらったり、大島洋平選手がLiSAさんの『炎』を入場曲に選んだりと選手たちも大歓迎ムードで、チームの好調にもつながりました。まさに『勝利の女神』ぶりを発揮しています。LiSAさんのファンが彼女を介してドラゴンズに興味を持ってくれたり、応援してくれたりすることが増えてきているのも嬉しいですね」

 その愛が本物だと伝わるからこそ、ドラゴンズのファンもLiSAを応援し、逆にLiSAファンがドラゴンズを応援するような動きが生まれているのだろう。

「11月4日にはナゴヤドームでのセレモニアルピッチに登場しましたが、彼女自身も希望している、ドラゴンズとコラボしたナゴヤドームライブが早く実現するよう願っています。同じくドラゴンズファンの山口一郎さん率いるサカナクションらと一緒に“ドラゴンズロックフェス”が開催できるといいですね」(大山氏)

 LiSAは地元愛が強く、11月2日に更新したブログでは、〈帰る場所がある。故郷があるというのはとても心強く、幸せなことだなぁと感じています。と共に、おこがましくも故郷を背負う。ような気持ちで故郷に帰る場所に恥じないような活動をしなくてはな。といつも心に置いています〉〈地元の心強さをこの楽曲にこっそり込めています〉と『マコトシヤカ』に込めた思いを明かしていた。

 いまや岐阜出身のスターとして、地元球団を盛り立てる存在となったLiSA。故郷の人々の思いを背負って、悲願のナゴヤドーム公演を開催する日はそう遠くなさそうだ。

●取材・文/原田イチボ(HEW)