幸先の良い幕開けとは言えなかった。今日3月25日に五輪聖火リレーが福島県のJヴィレッジからスタートし、約1万人のランナーが全国を121日間かけて巡る。しかし、第一走者を予定していた2011年女子サッカーW杯優勝の「なでしこジャパン」メンバーのうち、主将だった澤穂希さん(42才)が前日に体調不良で辞退していた。

 辞退者は他にも、愛知県を走る予定だったロンドンブーツ1号2号の田村淳、同じく愛知の藤井聡太、石川県の常盤貴子、茨城県で渡辺徹、沖縄県は玉城ティナ、福岡県・黒木瞳、熊本県・正代関、スタート地点の福島県を走る予定だったTOKIOや窪田正孝など多くの有名人が参加を取りやめている。

「澤さんは三半規管のコンディションを崩したため、無念のリタイアとなりました。他の辞退者は、五輪が1年延期になったことで都合がつかなくなったことや、コロナ禍での感染対策が難しいことなどが辞退の理由だと言われています。中には五輪の開催自体に疑問を覚えている人もいるのかもしれません」(都政記者)

 今夏の五輪は海外からの一般客の受け入れを断念するなど、前例なき開催を目指している。そのため、前途は多難だ。そんな中で唯一の希望と言えるのが、この聖火リレー出発式に石原さとみ(34才)らとともに参加するサンドウィッチマンの2人だ。

 数多くのレギュラー番組を持ち、年に2回発表されるビデオリサーチの「テレビタレントイメージ調査」でも、男性部門で目下5連覇中と、日本一の好感度タレントである。そんなサンドウィッチマンは、故郷の宮城県のランナーであり、東京五輪の聖火リレー公式アンバサダーも務めている。

 あるテレビ局の制作関係者は「著名人の聖火ランナー辞退が続出しイメージが悪くなった中、堂々とサンドウィッチマンの2人が聖火を持って走る姿は、東京五輪への救世主になりえるかもしれません」と話す。

 サンドウィッチマンの2人にとって、この聖火ランナーは特別な思いがあるはずだ。

 ともに宮城県出身で、2011年3月の東日本大震災時に宮城県気仙沼市で被災し、避難した高台から故郷が津波に襲われる瞬間を目撃した。その後は「東北魂義援金」を立ち上げて、現在までに約5億円を被災地に届けてきた。また、この10年間、月に1〜2回は被災地に足を運び続けるなど、どのタレントよりも被災者に寄り添って活動してきた。

 今年の3月11日も被災地を訪れ、夜には帰京し深夜のラジオ番組に生出演。通常の「ナインティナインのオールナイトニッポン」の放送枠を、先輩お笑いコンビから一晩だけ譲り受けた。東日本大震災10年の特別編成として「サンドウィッチマンのオールナイトニッポン」を放送。この10年間の復興や支援について語ったのだった。

 震災で自らの生死の境目を体験した伊達みきお(46才)はインタビューの中で、「現在の東北を見てもらうことで、復興した場所、まだまだ時間がかかる場所があることも分かってもらえると思う、聖火リレーを通して、新しい東北の形を発信していきたい」と語っていた。

 新型コロナへの不安の中で東京五輪開催には否定的な意見が多いが、そんな中でも意志を持って走る2人の姿が、世論に何らかの変化を起こすかもしれない。