放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、芸歴35年、55歳独身の今田耕司についてつづる。

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 ダウンタウンにうまく隠れてはいるが、常に面白くテレビをずっとリードしつづけているのが、若き日は“Wコージ”と言われた今田耕司と東野幸治だ。たけし・タモリ・さんまを“ビッグ3”と呼んだように、今のバラエティをリードする“MC4”は爆笑問題の太田、有吉、そしてWコージだ。

 私もやんちゃな30代の頃はテレビにも出たりしたのだが、その勢いで大阪や名古屋からもよく呼ばれた。行くとスタジオには必ず悪い盛りの20代の“Wコージ”がいて、言うことやることすべて面白かった。その笑いに対する反射神経の良さに舌を巻き、のどにもつまらせた。今田キャリア35年、55歳。ずっとテレビの最前線にいる。吉本的には島田紳助がやっていた、生で長時間取り仕切るTBSの『オールスター感謝祭』やら、テレ東の『なんでも鑑定団』など、吉本のシマをキッチリ守ってみせた。意外と律義なのは、お寺の子というまっとうな血が流れているせいなのか。

 私が本に書く「芸能界三大お寺の子」とは永六輔、植木等、先代三遊亭円楽なのだが「今田を加えて四天王だな」と言ったら、当人「そうそうたるメンバーに私を入れて頂いて恐れ多いです」と真顔で照れた。

 吉本が師弟制度よりも学校で「笑い」を学ばせようとはじめた「NSC」、第1期生が伝説ともなったダウンタウン、今田は第4期生である。高校では特殊な寮生活を送っていたもので(先日テレビで話していたが超爆笑。ほとんどコンプラ的にNG)、ダウンタウンの面白さも知らず、母にきけば「あんた小さい頃、西川のりおばっかり見て笑うてたわ」。ホーホケキョ、あんな破壊的な笑いが好きだった。

 今日ほどコンプライアンスがきびしくない時代のテレビの制作現場を体で知っているから面白い。「ハダシで“マグロの頭サッカー”やらされましたわ。足ィ血だらけ」「ボールのすべての面に画びょうの付いたボールでバレーですよ」

 そんな爆笑地獄をくぐりぬけてきて、ふと気がつくと独り者。昨年はナイナイの岡村も結婚した。そこへ「有吉結婚」の衝撃ニュース。あらかじめ組んであったので私のラジオへのゲスト出演が“アローン会”会長の第一声、お笑いスクープゲット。「結婚ってきいた時、一瞬で血が止まりましたわ。血液が流れない。全身から力が抜けて1時間。ハッとしてやっと立ちあがれました」。

 作演出の鈴木おさむと組んだシリーズも第7作。本多劇場での霜降り明星せいやとW主演『てれびのおばけ』で、今のテレビへ問題提起しておりました。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2021年5月7・14日号