かつて兄弟コンビとしてブームを巻き起こした“まえだまえだ”の二人が、今やNHK連続テレビ小説にリレー出演する人気俳優として活躍している。彼らが歩んできた道のりと今後の展望を探った。

 2000年代後半、お笑い番組『エンタの神様』や『爆笑レッドカーペット』などに登場して瞬く間に注目を浴びたまえだまえだ。子供らしく元気に満ち溢れていながらも、関西弁を駆使した大人顔負けの漫才が好評を博し、人気お笑いコンビとしてお茶の間に知られるようになっていった。

 漫才の実力も多くの人に認められていた。ツッコミ担当の兄・前田航基とボケ担当の弟・旺志郎がコンビを結成した2007年、漫才日本一を決める『M-1グランプリ』に出場すると準決勝へと進出。2011年には東京・新宿にオープンしたばかりの劇場「新宿角座」で初の単独ライブを開催し、各方面から称賛の声が寄せられた。

 一方、二人は“まえだまえだ”を結成する前から子役としてもテレビドラマなどで活躍していた。初の単独ライブを行なった2011年には是枝裕和監督の映画『奇跡』で、兄弟で主役に抜擢。その後、2010年代半ば頃からはそれぞれ俳優としてキャリアを積んでいくようになり、お笑いコンビとしての活動は影を潜めていった。

 2021年にはNHK連続テレビ小説『おちょやん』に弟・前田旺志郎が出演。5月17日からスタートした『おかえりモネ』には兄・前田航基の出演が発表されており、“朝ドラ”に兄弟でリレー出演することになる。

 もはや俳優として引っ張りだこの存在へと成長したまえだまえだの二人。だがテレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏によると、彼らはさらなる進化を遂げることを目指しているという。

「兄の航基は、以前『いま僕たちは兄弟バラバラに、漫才じゃない自分たちを作ってて、お互い知恵がついたら、自分たちが成長したものを持ち合って漫才に落とし込めたらなって』と語っていました(『ワイドナショー』フジテレビ系、2019年4月14日)。

 弟の旺志郎からも同様の発言が聞かれます。今まさに『漫才じゃない自分たち』を作る途上にあり、俳優としても注目されることになった彼らが、今後再び漫才をすることがあるのか。あるとしたらどんな内容のものになるのか。どうしても期待してしまうところです」(飲用てれび氏)

 すなわち新しい“まえだまえだ”を目指して俳優業に取り組んでいるようだ。ただし、たとえお笑いの世界に戻ることがなかったとしても、漫才コンビ時代は今後の糧になると飲用てれび氏は指摘する。

「もし、漫才をすることがなかったとしても、子役時代からのストーリーも折り込みながら俳優としての地歩を確立している安達祐実や神木隆之介のように、俳優としてまえだまえだ時代を強みにした活躍を見せるのではないでしょうか」(飲用てれび氏)

 まえだまえだの二人はまだ20代を迎えたばかり。果たしてここから、どんな成長を遂げることになるだろうか──。

◆取材・文/細田成嗣(HEW)