ネガティブな話題を、プラスに変える能力は芸能界随一かもしれない。5月31日、熊田曜子が夫と離婚を前提に協議していると所属事務所を通じてコメントを発表した。夫はその13日前、熊田への暴行容疑で逮捕されているが、週刊誌『FLASH』ではDVの原因は熊田の不倫疑惑にあったと報じている。真相は今後、裁判で明らかになっていくようだ。

 そんな熊田は6月2日、インスタグラムを更新。和服の写真とともに、『銀座で働くことにしました』と投稿している。芸能記者が話す。

「絶妙な宣伝でしたね。別にクラブのママに転身するわけではなく、YouTubeチャンネル『熊田曜子 〜40歳で自分史上最強になる〜』で、銀座のクラブを取材した動画をアップする告知でした。今後に注目が集まっているタイミングで、『銀座で働くことにしました』と言えば、ネットニュースが間違いなく飛び付き、アクセスが集中する。そう計算できているのでしょう。

『銀座で働く〜』という言葉の後に、『詳しくは20時にアップ予定のYouTube熊田曜子チャンネルをご覧ください』と宣伝し、『インスタプロフィールから飛べますよ』と丁寧に教えている。どのタレントも告知はするが、どうやって見ればいいのかわかりづらい投稿もしばしば見受けられます。熊田は最初の1文で驚きを与え、簡潔かつ詳細に告知を行う。『銀座のクラブで』と全てを言わず、『銀座で』に留めて想像を掻き立てるところもセンスを感じます。タイミングもやり方も、宣伝文として完璧です」(以下同)

 実際、Yahoo!ニュースで検索すると、『銀座で働くことにしました』をタイトルに持ってきた媒体は3つ(6月3日15時現在。以下同)。『熊田曜子』『銀座』の2つを見出しにした媒体は11もあった。その中には、3000近いコメントが付いている記事もある。

「読者やマスコミが、熊田の手のひらで踊らされている感すらある。昭和の頃、千昌夫が芸能レポーターに追われた時、スタッフが新曲のタイトル入りの旗を持って、カメラの前で宣伝した。いつの時代も、ネガティブな情報をどうプラスに変えるかは、芸能人の大きな課題です。熊田はある意味、『令和の千昌夫』と言えます」

 インスタで宣伝したYouTube〈【総工費5億円】銀座一流クラブ「Nanae」で曜子ママに!?〉という投稿は、更新から1日足らずで既に再生回数17万を超えている。今回の騒動を逆手に取ってバズらせた格好だ。

「かつての松田聖子のようなタフさを感じますね。恋人・郷ひろみとの破局、年下外国人男性とのスキャンダル、神田正輝との離婚……、ネガティブなことも全てパワーに変えてきた。叩かれて嬉しい人なんていないし、本人は嫌だと思いますよ。でも、芸能人はネガティブな話題も利用するくらいの根性がないとやっていけない。知名度や規模は違いますが、熊田は『令和の松田聖子』と呼ばれてもおかしくない。自己分析に長け、時代を読んで、SNSを巧みに使いこなしています」

アンチの多さは注目度が高い証拠か

 一方で、このしたたかさ、あざとさがアンチに火を着けている側面もある。ネットでは熊田に対するバッシングの書き込みも目立つ。なぜ、熊田にはアンチが群がるのか。その遠因は、2012年に発覚した『ペニーオークション騒動』にあるのではないだろうか。

 ペニオク騒動では、複数のタレントがあたかも商品を落札したかのようにブログで宣伝し、謝礼金を受け取っていたことが明らかになり、大きな注目を集めた。

 当時、熊田は所属事務所を通じて、実際には落札していないにもかかわらず、オーブンを5220円で落札したとブログに掲載したと認めている。2012年12月14日付の『日刊スポーツ』では、〈当時のマネジャーが退社しており、謝礼金や商品を受け取ったかなど詳細は分からず、確認中という。関係者は「当時このようなサイトだとは思っておらず今思うとより注意をしなければいけなかった」と話した〉と書かれていた。今もネットで熊田に関する記事が上がれば、ペニオクについて触れる書き込みが絶えない。

 この騒動で実質的に芸能界から身を引いた人もいる中で、熊田が活動を続けていることに反感を覚えている人もいるのかもしれない。だが、そうしたアンチの存在が、熊田にプラスにに働いている感すらあるという。

「テレビ中心の時代なら、アンチが多いとCMの仕事が入りづらいなどのデメリットが目立った。しかし、YouTubeなど自身の媒体を持てるようになった今、プラス面も少なくない。アンチがYouTubeチャンネルを見れば、その分、再生回数も増えますからね。もちろん、アンチの誹謗中傷が直接目に入ってくれば、精神的に穏やかではないでしょうけど」

 一時期、キングコングの西野亮廣はアンチの多さゆえに、毎週のようにネットニュースに取り上げられていた。それに伴い知名度も上がっていき、ファンも増え、自身のビジネスにつなげた側面もある。昔からアンチを抱える著名人は、ファンの多さの裏返しとも言われてきた。

「熊田のファンも結構いるはずですが、ネットを見る限りだと、あまり熱狂的なファンがいるようには思われない。実は、これもメリットになり得ます。たとえば、アイドルのファンの中には、少しでも気に食わないツイートがあれば徹底的に非難する人たちがいるし、自然と数人で“包囲網”をかける場合もある。

 いくら匿名とはいえ、やられた人は2度とそのアイドルに触れないようにしようと思いますよね。誰が見ても明らかな誹謗中傷であれば、注意する気持ちはわかります。ただ、目くじらを立てる必要のないツイートまで攻撃すると、熱狂的なファンは溜飲を下げても、そのアイドルにとってプラスにはならない。

 西野の例でもわかるように、ファン以外の人が名前を挙げることは重要ですし、アンチは好きの裏返しとも言えます。注目されている証拠なので、いつか寝返る可能性を持つ潜在的なファンと考えることもできるかもしれません」

 熊田のデビュー以降、星の数ほどの人間がデビューしては消えていった。ネガティブな話題やアンチをもパワーに変え、今も芸能界で生き残る彼女のしたたかさは見事と言うべきか。