スペシャル版も含めて約12年にわたり視聴者を夢中にさせた、倒叙型刑事ドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ系)。おっちょこちょいだけど憎めない“古畑に愛された刑事”として作品に欠かせない今泉役を演じた西村まさ彦が、作品について語ってくれた。

「古畑任三郎という刑事は、一切の生活感を見せない、思慮深く、魅力的な刑事でした。長年にわたり皆さんが愛してくださったのは、この作品に携わる人全員が、これまでになかったテレビドラマを視聴者に届けようと、思いをひとつにした、その熱意が届いたのではと思います。

 また演じられるかと問われたら、年老いた今泉は当時と同じように物語に登場することはもうないでしょう」(西村)

 そしてこのドラマの見どころの1つが、毎話登場する豪華ゲスト陣。

「すべてのゲストが与えられた役を、主役に負けず劣らず見事に演じてらっしゃいました」(西村)。

 6月に放送された再放送も好評だった古畑任三郎。まだ「古畑任三郎」という役柄が“未完”でもある第1シリーズを振り返る。

・第1話「死者からの伝言」中森明菜(55才)

 恋人である編集長を別荘の地下金庫室に閉じ込め、窒息死させた人気コミック作家。事故死を装う彼女を演じたのは、三谷幸喜も大ファンだった中森明菜。当時明菜の迫真の演技が話題になった。

・第2話「動く死体」堺正章(74才)

 歌舞伎役者(堺)が誤って劇場の警備員を殺害。実は、脚本の1作目として書かれた本作。まだキャラクター設定が完成されていない古畑や今泉もみどころ。

・第3話「笑える死体」古手川祐子(61才)

 古手川祐子演じる有能な精神科医は、誕生日を祝いに来た愛人、田代(羽場裕一)を強盗に見せかけて殺し、正当防衛を装う。古畑がストッキングを被りながらたばこを吸う貴重なシーンはファンの間でも話題になった。

・第4話「殺しのファックス」笑福亭鶴瓶(69才)

 人気推理作家(鶴瓶)が、妻を殺害するためファックスを使って狂言誘拐劇を仕組む。当時の連絡ツールのひとつだったファックスを巧みに使ったアリバイ工作と、その暴き方が注目された。

・第5話「汚れた王将」坂東三津五郎(享年59)

 将棋のタイトル戦挑戦者(坂東)が1日目の対局が終わった夜、立会人を殺害。歌舞伎界からの初のゲスト出演としても話題になった。

・第6話「ピアノ・レッスン」木の実ナナ(74才)

 音楽学院の理事でもある有名ピアニスト(木の実)が、理事長をショック死させた本作。“人の思い込み”が鍵となるストーリーのなか、木の実の強烈な演技は見事だった。

・第7話「殺人リハーサル」小林稔侍(80才)

 時代劇の人気スター(小林)が殺陣シーンのリハーサル中に模造刀と真剣を取り違えて、相手役を殺害。田村さんと鍔迫り合いをするシーンは、緊張感が伝わる名シーンに。

・第8話「殺人特急」鹿賀丈史(70才)

 外科医(鹿賀)は自分の浮気の証拠をつかんでいた興信所所長を殺害。鹿賀演じる外科医は、三谷幸喜脚本のドラマ『振り返れば奴がいる』と同役柄で三谷ファンを沸かせた。

・第9話「殺人公開放送」石黒賢(55才)

 メディアに引っ張りだこの霊能力者(石黒)が、トリックのタネを仕込んでいるところを男に目撃され、殺してしまう。古畑が犯行現場を訪れることなく真相を解明した。

・第10話「矛盾だらけの死体」小堺一機(65才)

 代議士の秘書(小堺)が、代議士の愛人を殺害。主犯の代議士も殺そうとしたが、実は一命を取りとめていたという展開。コメディアンである小堺がシリアスな犯人役を演じて話題に。

※女性セブン2021年6月24日号