主演を務める阿部寛の「バカとブスほど東大へ行け!」のフレーズでお馴染みの連続ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系、日曜夜9時)がまもなく最終回を迎える。阿部扮する元暴走族の弁護士・桜木建二が、低偏差値高校の落ちこぼれ学生を「東大専科」に集め、わずかな期間で東大に合格させるというストーリー。16年前に放送の第1シリーズでは3名の合格者を出したが、第2シリーズは果たして……。ドラマオタクを自称するエッセイストの小林久乃氏が、大胆予想する。

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『ドラゴン桜』第9話の世帯視聴率は、番組最高の15.4%を記録した。6月27日の最終回では有終の美を飾ることができるのかどうか? さらなる注目が集まっている。

 このドラマが画期的な人気をキープし続けているのは、全年齢層を包囲したことだ。若い世代には毎週、自分も東大専科の生徒になって、授業を受けている気分。お父さん世代には“日9”らしい、月曜日から頑張る自分たちを意識したヒューマンドラマの要素など、本当に見ていて飽きることはなかった。拍手喝采である。

 そんな人気のドラマ、今ファンの間で白熱しているのが「誰が東大に合格するのか?」予想である。このテーマについて個人的な視点で、多方面から探ってみたい。

2005年版ドラマと原作マンガから推理すると…

 合格予想と言われて、初めの材料として挙がってくるのは前作との比較。2005年に放送された前作の結果の一覧は下記のとおりだ。

・矢島勇介(山下智久)…合格
・緒方英喜(小池徹平)…不合格
・小林麻紀(紗栄子)…不合格
・香坂よしの(新垣結衣)…合格
・奥野一郎(中尾明慶)…合格
・水野直美(長澤まさみ)…不合格

 特進クラスに集められた6名中、3名が合格。ただ現役合格は逃したものの、水野と小林は一浪を経て合格している。緒方に関しては、後輩の特進クラスで講師をしていた情報があるので、おそらく合格しているはず……結果的には全員が特進クラスに入る以前には予想していなかった理想の道へ進んだ。これこそが桜木の指導の醍醐味だと思う。

 さて続けて私が気になっている予想材料は『ドラゴン桜』の原作マンガだ。早瀬菜緒(ドラマで演じるのは南沙良)、天野晃一郎(同・加藤清史郎)、藤井遼(同・鈴鹿央士)、小杉麻里(同・志田彩良)の生徒4名が、全員合格を果たしている。ただ2005年版の原作マンガでは水野しか合格していなかったということを考えると、この4名から不合格者が出ても不思議はない。

 ラストの検討材料にしたのは、桜木の指導力。前作では東大合格者5名を出すことを宣言しながら、3名。ただその後、高校再生のエキスパートになった桜木は別の高校で8名中7名の合格者を出している。ここを考えると2021年版の合格率は確実にアップすると見込む。材料から私が予想するのは7名中、5名の東大合格だ。

全員合格のハッピーエンドは日曜劇場らしくない?

 まず、藤井遼は合格。ドラマスタート時は性格の悪さが全身から滲み出ていたけれど、彼は変わった。兄たちと比較されて育って、彼らを超えるために理系を狙ったけれど、文系に志望を変えて安全圏内へ。地頭が良いので彼の合格は間違いない。

 小杉麻里と原健太(細田佳央太)の幼なじみコンビも合格だ。特に原は障害を抱えているようだけれど、勉強はできる。一瞬、原が試験会場でパニックになって、それを小杉が助けて2人とも試験に落ちる展開も予想したけれど、今回は合格で。

 迷ったけれど、早瀬菜緒も合格。2005年版で香坂よしのが合格したように、チャラあざといキャラの女子がひょいと難関を越えるシーンは気持ちがいいし、ドラマに欲しい要素だ。

 天野晃一郎は合格と予想する。これは2005年版の奥野と同じ家庭環境からの予想。兄弟からのプレッシャーに耐えて「僕なんか」の口癖が出ない、強い男になってほしい。加えて、奥野は賞味期限切れのサンドイッチを食べさせられて、腹痛に見舞われるトラブルが発生したことがある。その教訓から、試験当日は、犬猿だった兄弟から何か渡されても食べてはいけない。

 原作マンガにも登場する4名は、2005年とは真逆の結果で全員合格と読む。

 そして僭越ながら私が不合格と予想したのが、瀬戸輝(高橋海人・King & Prince)、岩崎楓(平手友梨奈)だ。まず瀬戸に関しては2021年版の主要キャストである。2005年版の山Pは合格したけれど、同じタイプのヒーローではドラマとしてつまらない。ここは一浪を経て、不合格に耐えるメンタルを持って、ラーメン屋の姉ちゃんを助けて欲しい。瀬戸の共通テストの620点は足切り点数だけど、偏差値32からのジャンプアップはお見事。

 岩崎も平手ちゃんが演じていることから考慮すると、間違いなくこの作品のヒロイン。受験ドラマには付き物の、試験当日のトラブルが彼女に発生して、敢えなく不合格では? と読んだ。もちろん一浪を経て翌年は入学するけれど。そのトラブルを救うのが、瀬戸なら良いなあと思うのはドラマファンのエゴだろうか。ただ確か第1話で、岩崎が階段から“落ちて”桜木に受け止められるシーンがあったので、それが伏線だったのかとも思う。

 と、これが私の東大専科の合格予想だ。前回の放送で最強の助っ人が誰なのか話題になったけれど、できれば2005年のクラスの生徒が全員出演でどうだろう。桜木の元教え子で学園の買収を企む坂本智之(林遣都)と米山圭太(佐野勇斗)が、実は矢島勇介の仲間で、最終的には龍海学園を救う……。この放送枠には何かしらのハッピーエンドが用意されていないと、月曜から私たちは仕事を頑張ることができないので、何卒よろしくお願いいたします。

【プロフィール】こばやし・ひさの/静岡県浜松市出身のエッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター。これまでに企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊以上。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。