AAAが15周年を機にグループ活動休止を迎える中、「AAAがあってこその自分」という思いから、ソロアーティストとしての活動も休止することを決断。「ファンへの感謝の気持ちを込めて制作した」というアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』(発売中、エイベックス)をリリースし、9月からはアーティスト活動休止前最後のソロアリーナツアーが始まる。

 AAA最年少メンバーとして16才でデビューして16年。インタビューの前編では、人生の半分以上を捧げてきたグループへの思いと、いま思い描く未来について、4つのキーワードトークで率直な心境に迫った。

【声:人生初レコーディングのエピソードは?】

 AAAのデビュー前に、練習用としてTRFさんのカバー曲などをレコーディングしていたんですけど、初めてのレコーディングはハッキリとは覚えてないかも(笑い)。もともとダンサーだったから、レコーディングをしてもコーラスだったんですよ。でも、メンバーみんなが見ていたし、スタッフさんも聞いていたから、緊張したことは覚えています。

 ボーカルとしてしっかり歌うようになったのは『CALL』(2011年)、『Charge & Go!』(2011年)あたりからで、だんだん増えていったんです。自分の歌声をCDで聴いたときは、「ガラガラやな」って思いました(笑い)。AAAメンバーの歌声って、みんな透き通る系の声だから、自分だけ浮いてるんじゃないかなって。でも、ハスキーな声は、自分の歌声の魅力かなって思うようになりましたね。周りからは明るい曲よりも、ちょっと切ない曲の方が(声質的に)似合うよねっていうのは、よく言われます。

 もともと歌手になりたくてエイベックスに入ったわけではなかったから、いまだに一人でアリーナツアーをやることも不思議でしょうがない! オーディションではダンス以外にも歌やお芝居の審査があったので、仕方なく歌ったら「上手くない」って言われたんだけど(笑い)。そもそも歌手志望じゃないし、カラオケで歌ったことくらいしかなかったから、当たり前でしょって怒りたくなりました(笑い)。

【過去:デビュー当時から振り返ると?】

 16才でデビューして若いときからずっと働いてきたし、正直、大変なこともありました。でも、たとえ辛いときでも、自分が目標とするものはあったし、もちろん楽しいこともあって。特にライブは、ファンのみんなが喜んでくれていることを感じられる場所だったし、デビューしてからライブハウス、ホール、アリーナという段階を経て、ドームでライブができるようになった…という、その過程は自分たちもすごく感じていました。

 昔に比べたら男性ファンも本当に増えたし、親子で応援してくださったり、ファン層が年々、老若男女になっていったことも嬉しかったですね。コロナ禍前は、街の洋服屋さんで男の子から「與さんですよね?」って声を掛けて頂いたりして。そういうときに、いろいろな方に音楽を聴いて知ってもらえたんだなって感じられたし、16年間、活動を続けてこられて良かったな…と思っています。

 AAAの活動休止が決まった時から、ソロアーティストとしての活動休止も考えていました。音楽活動としてはAAAがあってこそだと思っていて、ソロアーティストとして音楽活動をしてテレビに出たい、ツアーをしたい…みたいな達成したい目標がなかった。與真司郎=AAAということは、ファンの皆さんも理解してくれていると感じています。AAAの音楽活動を通して好きになってくださった方が大半だと思うので、アーティスト活動休止する前に最後にファンの方に感謝の気持ちを伝えたいという思いでアルバムを制作してソロツアーをやることにしました。ファンの皆さんには、ぼくがAAAとして帰ってくるまでの休止前最後に、愛を届けたいなと思っています。

 考えてみると、小学校1年生から、本当に休みのない人生だったんですよ。野球チームに入っていたので、土日は練習があったし、中学に入ってからはダンスを始めたから休日も練習をしていて。中学を卒業した2日後には、(オーディションに合格してレッスンを受けるために)東京に上京してきたので、学校とレッスンの繰り返しで土日に友達と遊びに行くこともできなかったから。予定がない生活を一度してみたかった…という気持ちも正直ありました。

 でも、インスタやツイッターに寄せられたファンからのコメントを見ると、0か100かの判断をして活動を全くやめるというのは違うのかな…と思うようになったんです。最近は、自分のポジティブで明るい性格を、ファンの方が好きでいてくれるのが伝わってくるので。AAAが帰ってくるまでは、音楽とはまた違うところでファンのみんなに自分の考えをシェアしていきたいです。AAAがまた帰ってくるときにはぼくも帰ってくるし、すごくいい状態でファンの皆さんに届けられたらいいな…と思っています。

【運命:運命的なターニングポイントは?】

ターニングポイントはアメリカのLAに留学したこと。グループ活動が10年経った頃、他のメンバーはソロでもいろいろ活動していくことを聞いていて。もともと、ぼくはAAAのことしか頭になくて、ソロでやろうという気持ちが自分の中にはなかったんです。じゃあ、自分は何をしようかと考えた末に、LAの大学に留学することにしました。そこで友達も増えたし、このまま住み続けたいなと思うようになって。メンバーがソロ活動をしているときは、自分はLAで暮らそうって決めました。

 LAではみんなAAAのことも知らないし、自分のことを0の状態でフラットに見て接してくれて…。向こうの人は自分の考え方をシェアすることが多いから、いろいろな人の考えを聞く中で、そういう考え方もあるんだということを知って、自分の考え方も大人になった気がします。

【Love:最新アルバム収録のラブソング曲の制作秘話を教えて!】

 作詞をしていない曲でも自分のイメージをお伝えして、一度上がってきた歌詞を見て、もう少し変えたいところがあれば作詞家さんと相談して…という感じで曲作りをしています。『CRY』は一方通行で叶わない恋を描いた切ない曲なんですけど、こういうストーリーの歌詞にしたいっていうことを提案しました。叶ってほしいけど難しい…という展開になっているので、歌っていても可哀相だな…って気持ちになりますね。

『好き好き好き』は、いっしょに歌った(青山)テルマとも相談しながら、2人で歌詞を書きました。好きだけどうまくいかないもどかしさとか、気持ちを分かち合えないことってよくあることだと思うんです。この恋が実ったらいいのにな…と思いながら、作詞をしていました。

 アルバムのラブソングの中で、自分の恋愛観とは違いすぎる…みたいな曲は特にはないかなぁ。ただ、『Your Eyes』はちょっと大人な歌詞だから、そこはノーコメントでお願いします(笑い)。

 初アルバムをリリースした時に全編英語詞にしたのは、もともと洋楽が好きだったし、いま思うとカッコつけたい気持ちもあったんですよね。そこで十分カッコいい系の曲は出せたし、今回はファンのみんなへの感謝の気持ちを伝えるアルバムだから、もっとわかりやすいほうがいいかなと思って。AAAとは違うタイプの曲も、今回は日本語詞で挑戦しています。

※インタビュー後編は9月2日午前7時に配信予定。女性セブン9月2日号ではWEB版とは異なるオリジナルインタビューを掲載。

撮影/中野修也(TRON) スタイリスト/後藤泰治(SMB International.) ヘアメイク/向井美絵