NHKで放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』に出演中の2人の俳優を見て、別の番組を思い出している人も少なくないようだ。同作に主要キャストとして出演する西島秀俊と内野聖陽は、2019年に放送されたドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)で、同性カップル役としてW主演を果たしている。

 両作品とも脚本を安達奈緒子氏が手掛けていることもあり、朝ドラで2人の登場シーンが出てくると、SNSでは「シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)が……!!」「これは神回」と大きな盛り上がりを見せている。

『きのう何食べた?』では、西島と内野が演じる「シロさん&ケンジ」コンビの心温まる日常が話題を呼び、ドラマ24枠シリーズ平均でタイムシフト視聴率が歴代最高を記録。また第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞や第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞を受賞するなど、作品としても高い評価を得ている。

Netflixで見て自炊の楽しさを知った

 そんな同作が『おかえりモネ』放送に合わせて、再び注目を集めている。現在は、動画配信サービス「Netflix」で視聴可能で、リアルタイムでドラマを視聴していなかった新たなファンも増加しているようだ。Netflixがきっかけで、『きのう何食べた?』にハマったという女性・Aさん(30代)は、こう話す。

「実家の母から『このドラマ素晴らしかったから、ぜひ見てちょうだい!』と連絡をもらい、何気なく見始めたのがハマったきっかけでした。1話目から魅了されてしまい、とくにシロさんがケンジを思って、栄養価を考えながらキッチンで料理をするシーンに胸を打たれた。やっぱり丁寧に料理をして、それを食べることが、心身ともに健康になる秘訣だよな、と改めて気付かされました。

 私自身、都心部に住んでいることもあり、コロナ禍の感染リスクを控えるために外食を控え、自炊を続けてきたので、それが結構なストレスになっていた。とくに夏はキッチンに立つのもおっくうで、買い出しする気力もなくなっていた。

 そんな状況から救ってくれたのが、『きのう何食べた?』でした。家にいる時間をストレスだと感じていたけれど、自炊を軸にして、自宅時間を楽しむことの素晴らしさを教えてくれた。シロさんが作る料理のレシピを真似して調理をするのが楽しいですし、栄養バランスも良くなりました。昨日は、ジルベールの純豆腐を作りました(笑い)」(Aさん)

押し付けがましくない「問題提起」

 Aさんがレシピを真似したという「ジルベール」とは、作中で“美少年・ジルベール”として登場する井上航(磯村勇斗)のことだ。ジルベールのファンだという女性・Bさん(20代/大学生)は、同作を「コロナ禍だからこそ見返したい作品」だと話す。

「この作品は、シロさんとケンジのほか、山本耕史さん演じる小日向大策さんとジルベールなど、同性愛カップルが登場します。私は、大学でLGBTQに関する授業を受けたり、SNSでフェミニズムの論争が起こったりしているのを見ていて、これまで違和感を持っていました。『差別はダメだ!』と頭ごなしに押し付けられているような気がしていたんです。

 私には同性愛者の知人も、トランスジェンダーの友人もいます。そこで普通に友達として接してきたので、あらためて『差別はダメ!多様性を大事に!』などと教育されることが、少し息苦しくて。もっと自然で良いのにと思っていました。

 そんな中、友達に勧められて原作の『きのう何食べた?』を読んで。『これだ!』と腑に落ちました。そしてドラマもすべて視聴しましたが、本当に素晴らしくて……。作中にはたくさんの問題提起があるけれど、どれも押し付けがましくない。好きな人のためにご飯を作りたいと思う気持ちや、好きな人が作ってくれたご飯が美味しいという気持ちだけで十分だなと。オンライン授業で疲れたときに、Netflixでこのドラマを観て癒されています」(Bさん)

 今年11月3日には『劇場版 きのう何食べた?』が公開予定で、主題歌はスピッツが手がけ、映画オリジナルキャラクターとしてジャニーズの人気グループ、SixTONES(ストーンズ)の松村北斗が出演することも発表されている。朝ドラを機に同作を知った新しいファンも、映画公開を心待ちにしているようだ。