音楽活動はもちろん、バラエティー番組や俳優としても活躍しているKis-My-Ft2のメンバーたち。デビュー10周年を迎えたKis-My-Ft2の魅力を、放送作家でコラムニストの山田美保子さんが分析する。

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「如実」なグループ内格差をなくすために一肌脱いだ中居クン

 9月3日にオンエアされた『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)「Kis-My-Ft2デビュー10周年SP」が大反響ですね。

 私が彼らのファンを公言しているからでしょう。多くの知人から「苦労したんですね」「応援したくなった」といった感想が届けられ、私もあらためて誇らしい気持ちになりました。

 古参ファンの多くは気づいていた「5人でのデビュー話」。横尾渉クン(35才)と二階堂高嗣クン(31才)の写真が別ページにあった『少年たち〜格子無き牢獄〜』のパンフレットを目にしたゲネプロ取材の日が鮮明によみがえりました。「なぜ2人がいないのか」、スタッフのもとに飛んで行って最初に聞いたのは私でした。答えは「ドラマと映画」。確かに2人はその後、ドラマと映画に出演しましたが……って、もう昔話はいりませんね。キスマイは7人で10周年を迎えたのですから。

 そして、公私にわたって7人を叱咤激励し続けた中居正広クン(49才)とのエピソードには涙が止まりませんでした。

 中居クンは、いわく「如実な」グループ内格差をなくすために、“後ろの4人”と呼ばれていた千賀健永クン(30才)、宮田俊哉クン(32才)、横尾クン、二階堂クンを『舞祭組』(ブサイク)に。曲のプロデュースやMV出演、キスマイのライブでのチラシ配布、舞祭組のライブにサプライズ出演、さらには、SMAPのライブでの自身のソロ曲パートで舞祭組の曲まで歌ってくれました。宮田クンのように『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)の準レギュラーや、『UTAGE!』(TBS系)で中居クンと共にMCをさせてもらっているメンバーも。感謝してもしきれませんよね。

 カメラに映っていないところでも、一人ひとりに珠玉のアドバイスをくれていた中居クンは、バラエティーでの所作についても厳しく叩き込んでくれていたのです。

 でも、バラエティーで声を張ることや、リアクションで立ち上がること、いわゆる“パターン”などを毎週、がまん強く教え続けてくれていたのは、よゐこの濱口優サン(49才)でした。デビュー年にスタートした『濱キス』(2012年・テレビ朝日系)がなかったら、キスマイの“バラエティー力”は、ここまで完成されなかったと思います。

 濱口サンは本当にやさしいかたですが、オンエア上は「バカヤロー!」を連呼し、キスマイが何かやらかすたびにダメなポイントを指摘し、バラエティーでの正解を出すまでつきあってくださいました。

 いま思い出しても、本当に過酷なロケで、“お題”をクリアすることができず、本当に朝まで収録が続いたこともありました。

 もちろん、それにつきあってくれたスタッフさんの存在も忘れるわけにはいきません。一度、『ドデスカ!』(メ〜テレ)の取材で、動物園ロケにお邪魔したことがあるのですが、ハンディーカメラを片手にメンバーのオイシー瞬間を絶対に逃さないという姿勢のスタッフさんに、心の底からお礼を言った記憶があります。

 そこからテレ朝さんには本当にお世話になっていて、『キス濱ラーニング』『キス濱テレビ』『OLくらぶ』『キスマイGAME』『キスマイ魔ジック』『キスマイレージ』と続き、ついにゴールデンに進出できたのが『10万円でできるかな』。好感度抜群のサンドウィッチマンさんとの共演ですが、そのサンドのおふたりのツッコミは、“ジャニーズ”の“アイドル”にではなく、まるで後輩芸人へのそれのようなのです。もちろん、全員それがうれしいキスマイ。企画によっては、時間がかかる過酷なものもあるのですが、10年経っても全力投球。それはやっぱり、『濱キス』のおかげだと私は思っています。

「予想以上に真面目に頑張ってくれた」と演出家が絶賛するほど

 そして、食リポや街歩き、旅モノのノウハウを叩き込んでくれたのは、キャイ〜ンのおふたり。そう、『もしもツアーズ』(フジテレビ系)です。ほぼ毎回、“キスマイ代表”としてピンでロケに参加するので、全員が爪痕を残さなければ……と、それぞれ、頑張る番組。なかでも、王子様キャラの玉森裕太クン(31才)が出るときは、必ず、ウド鈴木サン(51才)とペアになって、“かぶりもの”に挑戦するのです。

 また、お料理上手な横尾クンや、もともとグルメな千賀クンも大活躍。レギュラー陣として、ゲストを盛り立てるのもキスマイの役割です。

 まだまだ、お世話になった芸人さんはいらっしゃいます。『Kiss My Fake』(2013〜2014年・TBS系)では、おぎやはぎサン。私が選んだ名シーンは、「時間があったから」とペット介護士の資格を取得したことを報告した横尾クンに矢作兼サン(49才)が放った「横尾、お前は計り知れねえなぁ」です。実は、おぎやはぎのおふたりは、つい最近も『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)の中で横尾クンについて“愛ある言及”をしてくれています。

 ほかにも、個々には、ビートたけしサン(74才)、綾小路きみまろサン(70才)、明石家さんまサン(66才)、爆笑問題のおふたり、出川哲朗サン(57才)らベテランたちと共演。藤ヶ谷太輔クン(34才)のように『A-Studio+』(TBS系)で笑福亭鶴瓶サン(69才)とのレギュラーを持つメンバーもいます。

 そして、キスマイの強さを年配の視聴者にも見せつけたのは『プレバト‼』(MBS・TBS系)。ダウンタウンの浜田雅功サン(58才)がキスマイメンバーをかわいがってくださっています。俳句が2021年度の中学国語教科書副教材(明治図書出版)に掲載された「先生」横尾クンと、もう1人、千賀クンが目立っている番組ですが、実は最初に出演したのは北山宏光クン(35才)。そのとき、「予想以上に真面目に頑張ってくれた」ことが、後のメンバー起用にもつながったということを総合演出・水野雅之氏のインタビュー記事で読んだときには涙が出ました。

 苦労人とか、脇道を歩いてきたとかいわれるキスマイだけに、結果を出さなければ次はない……ということを全員がよ〜くわかっているのです。今回は書ききれませんが、そうした評判はドラマの現場でもよく聞かれるようになってきました。

『ザ少年倶楽部プレミアム』(NHK BSプレミアム)での実績が、『NHK紅白歌合戦』初出場へとつながったことは、制作統括の加藤英明チーフプロデューサーの囲み取材で確認しています。

 そして『〜プレミアム』のフリップショーで、メンバー全員がボケ回答をするので、注意の意味の笛を吹きまくるのは、ますだおかだの岡田圭右サン(52才)。でも、パッケージとしての完成度の高さは、バラエティー専門放送作家の私でさえ、毎回、惚れ惚れさせられる出来です。

 事務所の先輩のみならず、芸人さんから育ててもらった苦労人のKis–My–Ft2。長きにわたり、「ワタシごのみ」である理由がよ〜くわかりました。

 改めまして、デビュー10周年、おめでとうございます。

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2021年9月23日号