女優・綾瀬はるか(36才)の家族が、巨額の投資トラブルに巻き込まれた──。騒動が起きたのは、綾瀬の故郷の広島。出資者の多くは60代以上の高齢者で、老後資金をつぎ込んでいたため、彼らは大きな不安に駆られており、その“被害者”の中に綾瀬の母親も含まれていた。

 新型コロナウイルスに感染し、現在は快復に向かっているという綾瀬だが、心中穏やかでない日々が続いている。

「8月下旬から肺炎の症状が出始めたため緊急入院。当初は肺に白い影が出て呼吸がしづらかったようです。病状は落ち着きましたが、油断できません。いまでも肺が真っ白になったり、激しい頭痛に見舞われたりするようですから。医師からは、後遺症が半年以上続く恐れがあるとも言われているそうです」(綾瀬の知人)

 この夏、綾瀬は映画の撮影などが立て込んだ。副反応が仕事に影響することを避けるため、ワクチンの接種は9月を予定していた。だが、その前に感染してしまった。

 綾瀬はいまや、日本を代表するトップ女優だ。CM契約する企業はユニクロ、コカ・コーラ、NTTドコモなど大手9社で、そのうち5社は東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーとして名を連ねた。東京五輪の“アイコン”としても輝いた彼女はドラマの視聴率女王でもあり、この秋には木村拓哉(48才)と10年ぶりに共演する映画の撮影が予定されている。

 綾瀬の前に立ちはだかったコロナだが、実はその直前にも深く心を痛める出来事があった。コロナ感染から遡ること1か月、彼女は巨額投資トラブルに巻き込まれていた。騒動の舞台となってしまったのは、綾瀬の個人事務所だ。社名に亡き父の思いが込められた、大切な会社だ。

「綾瀬さんは2019年6月にお父さんを肺がんで亡くしました。父親思いの彼女は忙しい日々の合間を縫って、治療に付き添っていました。その間、病床のお父さんと今後のことを話し合っていて、個人事務所の設立を決めたんです。社名も父娘で相談して決めたそうです」(芸能関係者)

 愛する父の死から5か月後、綾瀬は個人事務所を設立。代表取締役に綾瀬の母が就任し、綾瀬と兄が取締役となった。

「綾瀬さんのCMのギャラは、芸能界でも最高クラスで、1本5000万〜7000万円ともいわれています。所属事務所のホリプロは給料制ですが、CMのギャラなどはインセンティブとして別枠で入る。近年の彼女の年収は、3億円はくだらないとされます。

 収入の多い芸能人は個人事務所を立ち上げて、出演料などを会社の収入として受け取り、その会社から給料をもらうかたちで節税をします。綾瀬さんの個人事務所も、こうした節税対策がメインのはずです」(テレビ局関係者)

 父が娘の将来を慮った個人事務所が、巨額の投資トラブルに巻き込まれたのは皮肉というしかない。しかも騒動は綾瀬家だけではなく、綾瀬の故郷・広島の高齢者を巻き込んだ大規模なものだった。

身分は明かさないのが「セレブ会」のルール

 綾瀬の父は農家の出身で、母はいまも農作業に精を出す。両親は東京でひとり頑張る綾瀬を思いやり、旬の野菜や果物を娘のもとによく送っていた。父の死後、地元で穏やかに暮らす母のもとに舞い込んだのが、ある投資話だった。綾瀬家の知人が打ち明ける。

「はるかちゃん(実際は綾瀬の本名)のお母さんは事務所の代表を務めていますが、会社の経営に詳しいわけではありません。だからお金に関する相談は、綾瀬家が代々お世話になっている地元の税理士さん(以下、A氏)にお願いしていました。そのA氏がお母さんに『この低金利時代に、現金を銀行に置いておくのはもったいない。運用してみたらどうですか』とすすめたそうです。

 お母さんはお金を増やす気はなかったけど、信頼している先生がそう言うならと、今年の頭くらいにはるかちゃんと設立した個人事務所のお金を、1億円近く投資したのです。芸能界は不安定なので、娘の将来のために何かしてあげたいという気持ちもあったと聞きます」

 A氏の言う通り、銀行に預けるより運用した方がいいという意見はある。問題なのは、彼がすすめた“投資商品”だ。その中身はこうだ。実際に運用するのは、B氏を中心とする30代の3人組の投資グループ。B氏は自身の経歴と運用の仕方を、周囲にこう話している。

 福岡県出身で、将来の夢は映画を撮ることと、サッカークラブを買収すること。一度は就職したが、夢を諦めきれずに、資金作りにつなげるべくスイスの大学院に留学した。そこで投資サークルをつくり、金融大手の現幹部と知り合いになる。その縁からファンドの銘柄の動向を一般の人より早く知ることができ、投資に有利な情報を得られる──。

 昨年の4月頃からこの投資話が出回り、配当は月利2〜4%。現在メガバンクの定期預金の金利が年0.002%なのを考えれば、いかに高金利かがわかる。A氏のような仲介者が複数人おり、投資する際は、B氏の個人口座に入金する。投資額は数百万円の人もいれば、億単位の人もいる。金利はなぜか人によってバラバラだという。

「はるかちゃんのお母さんは月3%の利回りがつく契約だったそうです。このご時世にそんな高金利は眉唾ですが、お母さんはA氏にすすめられるまま契約を結びました」(前出・綾瀬家の知人)

 契約後の母を待っていたのは、きらびやかな世界だった。出資者は毎月1回、広島市内の高級ホテルのレストランに集って、豪華な食事に舌鼓を打った。

「この会は『セレブ会』と呼ばれ、ドレスアップした出資者がレストランのテーブルを囲み、主催者が運用状況を説明する会です。参加者は自分の身分を明かさず、連れてきていいのは配偶者と一親等だけというルールがあります。参加者同士は連絡先を交換してはいけないような雰囲気もありました。多くは、高齢者でした」(セレブ会の参加者)

 長年連れ添った夫を亡くした綾瀬の母にとって、この集いに参加することはささやかな楽しみだったようだ。

「いつも畑仕事で忙しく、自分のことは後回し。そんなお母さんの姿を見て、その食事会に行くのはいい気分転換になるのではないかと、家族もすすめていたくらいでした」(前出・綾瀬家の知人)

 しかし、今年5月、それまで毎月支払われていた配当が止まった。出資者には「B氏の口座がマネーロンダリングの疑惑をかけられ、凍結されたことで、お金が出せなくなった」との説明があったという。出資者には当然、受け入れられない事態である。配当は5月だけでなく、6月、7月、8月とストップし続けている。

 母から事情を聞いた綾瀬は驚き、ある人物に相談したという。

「はるかちゃんは、以前から東京でサポートしてもらっている地元出身の顧問税理士に相談しました。実はこの税理士は、A氏の息子なんです。話を聞いた息子は、すぐにA氏を問い詰めた。お母さんと投資グループの契約を解約して、返金を求めました」(前出・綾瀬家の知人)

高齢者を狙った悪質な手口が横行

 綾瀬と息子からの「返済要請」を受けたA氏を直撃すると、疲れ切った顔でこう釈明した。

「そもそもこれは投資ではなく『金銭消費貸借契約』という貸付で、最初に預けていただいた資金の元本を返済して、その後に2〜4%の『利息』をお渡しする仕組みです。長期間預けることで、やっとプラスが出るんです。だから、投資ではない。私はBさんを信頼し、自信をもって綾瀬さんのお母さんを含む15人ほどに仲介しました。その際、幾分かの手数料をいただいています」

 つまり綾瀬の母が受け取った配当はB氏らに「貸付」をしたお金の元本で、その返済を終えてから月3%の利息を配当するとの言い分だ。しかし、「返済」にしろ「利息」にしろ、月々支払われるべきものが止まっているのは事実。出資者から「詐欺」を疑う声があがっていることをA氏に伝えると、苦渋の表情でこう言葉を絞り出した。

「これがもし詐欺だったら、私も加担したことになります。その場合、私が紹介した人には全財産をはたいてでも必ず返済します。でも、私はBさんを信じています。Bさんからは、2億円以上の残高がある預金口座と、50億円以上の株の運用記録を見せてもらっています。ただ、直接連絡はできないんです。おかしいなとは思っているのですが……」

 A氏の主張に正当性はあるのか。元大阪府警財務捜査官で金融犯罪や詐欺に詳しいアキュレートアドバイザーズ社長の小林弘樹氏が指摘する。

「不特定多数から投資目的でお金を集めるには、金融商品取引業の登録が必要です。ですが、『近親者数名への貸付』ならこれに該当せず、貸金業登録も表面上は不要と思われます。この場合、元本・利息の返済が途絶えても『民事の債務不履行』となり、刑事責任は問いにくいと考えられます。

 ただし、実態が不特定多数から投資目的でお金を集めたものであれば、警察も見逃しはしません。一般に高利回りの投資のはずなのに、名目が『貸付』の場合、警察の追及を逃れる方便であるケースが多いので要注意です。このような事態に遭遇したときは、早急に警察に相談すべきです」

 現在、「詐欺的な投資勧誘トラブル」が増えている。コロナ禍による経済的な困窮から、「手軽に儲かる手段」を求める人が増加。国民生活センターは「未公開株」や「社債」のほか「外国の通貨」や「事業への投資話」などを持ちかけて、資産を騙しとろうとする被害が高齢者を中心に多発していると警鐘を鳴らしている。

※女性セブン2021年9月30日・10月7日号