放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、岡田准一と宮崎あおい結婚報道で改めて考える、ジャニーズの結婚の条件。

 * * *
 V6の岡田准一と女優の宮崎あおいが「結婚へ」と23日付スポーツ紙各紙が報じた。

 ジャニーズのアーティストの結婚発表というと、マスコミよりも先にファンクラブの会員に報告するのが常。TOKIOの国分太一に倣って、岡田もグリーティングカードというカタチをとり、クリスマスを模した赤を基調としたものが24日のイブに一斉にファンの元に届くハズだった。

 が、年賀郵便でバタついていたのかもしれない。「手違いで」一部のファンに予定よりも早く届いてしまうハプニングが…。そのため、日頃ジャニーズとは蜜月関係のスポーツ紙だが、23日に報じることとなったようだ。

“ジャニーズ”“結婚”というと、「一グループ、一人の法則」というものが長年あった。もっとも事務所がそう決めているわけではなかったようで、TOKIOの国分太一がTBSの元局員との結婚を発表した際には、ジャニ?社長も国分本人も、「法則」を否定。スポーツ紙のみの囲みでは、社長から、ある程度の年齢に達したら…という結婚推奨ともとれるコメントもあったとされている。

 とはいえ、その国分が結婚をしたら、メンバーの山口達也が離婚を発表。少年隊でも東山紀之の結婚と植草克秀の離婚というのが入れ違いに発表され、「一グループ、一人」は守られてきたのである。

 が、岡田が所属するV6は、井ノ原快彦が瀬戸朝香と、長野博が白石美帆と結婚しているので6人グループの内、結果、3人が妻帯者になることになる。

 今秋、V6のコンサートツアーの“マスコミお披露目日”に囲み取材がなかったことや、翌日、スポーツ紙が、やたらとメンバーの平均年齢やら「オジサンでも、こんなに踊れる」といったテイストの記事をあげてきたことに、“予感”はしていた。

 実際のステージは、それは見事なもので、事務所関係者も「あそこまでダンスが揃うグループは他にない」と明言しているほどだ。が、岡田については、主演映画俳優として特に評価が高く、15年『第38回 日本アカデミー賞』において、『永遠の0』で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞とW受賞したことが記憶に新しい。

 映画俳優として岡田が切り拓いたレールには、嵐の二宮和也や、この2年ほど、立て続けに映画に主演しているHey!Say!JUMPの山田涼介ら後輩が続いて歩んでいるところ。

 また、映画化もされたテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)出演の前後からアクションや格闘技に目覚めた岡田が、その後、カリとジークンドー、さらにはUSA修斗のインストラクター資格を習得したことはあまりにも有名だ。岡田を間近に見ると、その胸板の厚さや二の腕の筋肉に驚かされるものだ。

 そうかと思えば、出身地、大阪府枚方市にあるアミューズメントパーク『ひらかたパーク』のCMキャラクター「超ひらパー兄さん」では、ローカルCMならではのチープさと、関西ならではのノリがウケて、地方CMの優等生。「おま!」という岡田の叫びに、コンサート会場のファンがCMと同様に、ズッコケるシーンも何度か見せてもらった。

 もともと『天才・たけしの元気が出るテレビ?』(日本テレビ系)の「ジャニーズ予備校」出身者。当時のジャニーズJr.のように、ジャニ?社長が見守るオーディションに合格して入所したわけではないものの、その後すぐにV6としてデビューをした岡田。

 とはいえ、年少組には、ジャニーズJr.の歴史の中でももっとも人気があったのではないかと思われる「剛健(ごうけん)」こと森田剛と三宅健が既に大人気となっており、岡田は肩身が狭かったような時代もあっただろう。

 初めから演技がうまかったわけでももちろんなくて、先輩が主演のドラマの中には、「これが後の岡田准一なのか」とギャップを感じさせられる作品も存在した。

 が、岡田は高倉健さんや緒形拳さんら、日本を代表する大物俳優に愛された。健さんとは直接顔を合わせたことはなかったというが、知人を介して『志村喬記念館』に高倉さん自身が行けないので「代わりに行って来てほしい。そして役者として勉強して来なさい」と託されたことを『第38回 日本アカデミー賞』後のセレモニーで明かしている。

 そして緒形拳さんからは、岡田が10代のときに「お前は俳優に向いている」「君は俳優を続けなさい」と言葉を掛けられたことがあるとも明かした。
 
 最近も、『海賊とよばれた男』で共演した國村隼が、「役では岡田を虐めるが、私は岡田くんのことが大好きです」と完成披露試写会などで公言。ベテラン俳優に認められ、愛されていることが改めて分かったものだ。

 さらに、アイドルとしての活動よりも俳優業に重きを置くことを「メンバーもファンも許してくれた」と感謝していた岡田。20周年を目前に『女性セブン』でインタビューした際、「一般の会社でも、同じメンバーと20年も同じ部署で仕事をするということは滅多にないハズ。それだけに貴重だし、感謝しなければならない」とメンバーへの想いを語っていた。さらに、祖母が亡くなる前に、祖母にも内容や設定がよく理解できる大河ドラマを始めとする時代劇に出られたことも「良かった」と、おばあちゃん子らしい言葉もあった。

 つまり、岡田の結婚が許された背景には、ジャニーズに“映画俳優”という確かなレールを敷いたことや、その演技が広く高く評価されたこと、地道に、そして細やかに活動してきた実績があるのだ。

 そして、相手女性だ。過去のジャニーズのアーティストの“結婚相手”を見てもわかるように、芸能人として確固たる地位を築いている女性か、一般人かのどちらかが「許されている」ように思う。

 実はこの一般人の中には、タレント活動やモデル活動をしていた女性も居り、結婚直前に芸能界を引退し、近年はSNSなども止めているケースが多い。

 ジャニーズのアーティスト以外でも、いわゆる“プロ彼女”で大物俳優とゴールインした女性には、こうしたケースは少なくないのである。

 やはり、男性アイドルやイケメン俳優の「結婚」は、長年彼らを応援してきた女性ファンにとっては「悲しいこと」。「岡田准一結婚へ」という報道にも、SNSが全く荒れていないわけではない。

 宮崎あおいは、キャリアも実績もある実力派の主演女優であり、オシャレ度も高いため、女性誌の表紙を飾る機会も多い、文句ナシの若き大女優だ。

 唯一、“過去”を気にする人もいるかもしれないが、そのマイナスを上回る仕事の実績と、相手が岡田准一だということは、今後、宮崎あおいのイメージをさらにアップさせるに違いない。

 芸能史を紐解いてもここまでの主演俳優、主演女優同志の結婚というのは、そうあったわけではなく、文句ナシのビッグカップル誕生には間違いないのである。

 交際5年という、確かな年月を重ねたこともまた、事務所や周囲への説得材料になっただろう。

 今後、V6が揃ってファンの前に登場するのは、大晦日の『ジャニーズカウントダウンコンサート』ではないか。客席からは「おめでとう」の大合唱が起こると思われるが、その声の主は、他のグループのファンか、V6の岡田以外のメンバーのファンなのかもしれない。

 ジャニーズのファン用語で「〇〇担」とか「自担」というものがある。「担」は「担当」の略で、たとえば今回は「岡田担の胸中を考えると…」「自担が結婚だなんて聞いたら、やっぱり、ありえない」などとSNSで使われている。「自担」は、「自分の担当」。自分が特に推すアーティストのことである。

 かつて井ノ原快彦がステージ上からファンに結婚報告をした際、井ノ原ファンの多くは「おめでとう」ではなく、「ありがとう」と言って涙を流したと聞く。そこには「直接キチンと報告してくれて、ありがとう」と「今日まで、ありがとう」という二つの意味が込められているのだと関係者が解説してくれた。

“条件”が整ったとしても、やはり「岡田担」の心中は複雑なのである。