現在15本のレギュラー番組を抱える超売れっ子のお笑いコンビ・サンドウィッチマン。毎年恒例の『日経エンタテインメント!』(日経BP社)のタレントパワーランキング芸人部門では明石家さんま(62才)やタモリ(72才)といった大物を抑え、見事サンドウィッチマンが1位に輝いた。芸人も含めて取材を重ねた結果分かった、彼らの人気を示す5つのキーワードを紹介する。

◆見た目とのギャップ

 まさに大人気のサンドウィッチマンだが、その特徴はなんといってもそのコワモテな風貌だ。ツッコミ担当の伊達みきお(43才)はラグビー部で鍛えたガッチリとした体格に派手な金髪、細い銀ブチメガネのスタイルはまるで任侠映画に出てくるヤクザのよう。ボケ担当の富澤たけし(44才)も、伊達と同じくラグビーで鍛えた体と鋭い目つきが印象的だ。お笑い芸人評論家のラリー遠田さんが言う。

「ふたりとも体が大きくて威圧感があるはずなんですが、会うとそれを全く感じさせない居心地のよさがある。しかも、人一倍腰が低い。芸人さんなので、どこかちょっと世の中を斜めに見ていたり、意地悪な目線があるかと思いきや、物事をまっすぐに見ている。誰かを悪く言うことで笑いをとるということもしない。“コワモテだけどイイ人”なんです」

 ライブに通うほどサンドウィッチマンの大ファンだという関根勤(64才)もこう分析する。

「よく見るとかわいい顔をしていて、伊達くんはプロゴルファーの有村智恵に似ています(笑い)。誰が相手でも偉ぶらず同じ立ち位置で接するからスタッフにも好かれる。サンドは苦労しているから、天狗にならなかった。それが結果的によかったんです」

 伊達が“同世代で嫉妬するほどおもしろい芸人”として挙げるナイツの塙宣之(40才)と土屋伸之(39才)は、彼らの“ゆるキャラ化”が人気急上昇の理由ではないかと推測する。

塙「総合1位がマツコ・デラックスさんですね。サンドウィッチマンも太り始めてから人気が出てきた。ゆるキャラみたいな体形がポイント。(2位の)綾瀬はるかが1位になるには“激太り”するしかないでしょ」

土屋「下がるだけでしょ! 太った綾瀬はるかは上がらないでしょ!」

塙「コワモテとのギャップ感だけだったら、(芸人部門で)1位を獲ることはできなかったと思う。ぬいぐるみ化してきてるんですよね」

土屋「だからライバルは芸人ではなく、パンダのシャンシャンとかじゃないかと」

 ちなみに外見から大酒飲みの印象のある彼らだが、実は下戸。飲みの席ではコーラばかり飲んでいるという。そんなギャップもたまらない。

◆老若男女にウケる

 所属事務所の先輩である、ピン芸人・永野(43才)はサンドウィッチマンのファン層の厚さを実感するという。

「子供たちからの“いつもありがとう”“元気をもらってます”という絵付きの手紙が事務所のトイレに貼られているんですよ。子供にとってふたりはヒーローみたい。そんな手紙を眺めていると、リラックスできず、便が出にくくなりました(笑い)」

 共演も多いバイきんぐの小峠英二(41才)は、幅広い世代から支持される理由をこう分析する。

「ネタがわかりやすいんです。コンビニやファストフード店での出来事の設定など、老若男女、どの年代の誰が聞いてもわかる内容を心がけて作っているのだと思います」

 ファンレターをキチンと返すなど、ファンとの距離の近さも有名だ。

「とにかくファンを大切にしている。1回目のライブから欠かさず通っているファンがいるんですが、毎回、客席で立ってもらい、皆さんに紹介しています。伊達くんはその人をファン代表として、結婚式に招待したんですよ」(関根)

 芸能界の先輩たちからも愛されている。2012年、伊達に第1子が生まれた際には、さまぁ〜ずの大竹一樹(50才)や上沼恵美子(63才)など150人からお祝いが届いたというから驚きだ。

◆仲よしコンビ

 ひと昔前まではダウンタウンのようにお互いの電話番号すら知らないというコンビが主流だったが、時流は変わってきたという。

「富澤さんは伊達さんが忘れてきてもいいように、携帯の充電器を持ち歩いているそうです。伊達さんは伊達さんで、おいしいものを見つけたら、富澤さんの分も買うなど、相方愛が半端ない。おぎやはぎ、さまぁ〜ず、博多華丸・大吉など今、人気があるコンビは皆、仲がいい。世知辛い世の中、みんな疲れている。せめてテレビを見るときは、和気あいあいとしたコンビを見て楽しい気持ちになりたいのだと思います」(ラリーさん)

 ナイツ・土屋はテレビに映らない普段のふたりの様子をこう明かす。

「楽屋での富澤さんのテンションは伊達さんがいる時といない時で全然違う。いるとキャッキャッしてるのに、いない時は奥さんとメールばかりしている。あの人は伊達さんと奥さんがいないと生きていけないんです(笑い)」

 関根は仲のよさが生む、ネタの精度の高さを指摘する。

「仲がいいと稽古を多くできるし、毎日の反省なども綿密にできるので、悪いところがすぐに改善される。つまり仲が悪いコンビよりずっと伸びしろが多いんです」

◆家族愛が強い

 伊達は2009年にアナウンサー・熊谷麻衣子(47才)と結婚し、小学生の娘がいる。同じく2009年に一般女性と結婚した富澤は、今でも妻に1日50通のメールを送る愛妻家。2人の子供に恵まれ、仕事を何か月も前から調整して、必ず学校行事に参加するなど子煩悩としても知られている。

 実際、富澤は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「嫁を大事にしてる芸人」にも出演している。関根が言う。

「富澤くんは奥さんの肩を揉んで、そこからおっぱい触ろうとして怒られたって言ってたのがおもしろかった(笑い)。伊達くんも奥さんと子供のことが大好き。富澤くんの息子が“伊達くんとコンビ組みたい”と言ったみたいで、“じゃあお父さんはどうすればいいの?”と聞いたら“伊達くんのお嬢さんと組めばいい”と言ったらしい。そのくらい、家族ぐるみで仲がいいんだよね」

 ラリーさんはふたりは時代のニーズにピッタリと言う。

「家族ネタは恥ずかしさやいやらしさが出るものですが、彼らは家族の話をするとき、本当に嬉しそう。ゲス不倫以降、視聴者の見る目が厳しくなり芸人も清廉潔白を求められているからこそ、彼らは視聴者をひきつけるのでしょう」

◆地元愛が強い

 サンドウィッチマンが愛される大きな理由の1つに地元愛があるといわれている。そこで本誌はふたりの故郷・仙台に飛んだ。

「サンド“イッチ”じゃないよ〜。サンド“ウィッチ”だよ〜」と記者の発音を訂正したのは5才の女の子だ。75才の主婦は「震災の前までは知らなかったんだけど、友達に教えてもらって大ファンよ。私の中では仙台のヒーローです」と話す。

 65才の男性は「彼らは売れても変わっていない。彼らは仙台の誇りだね」と言う。老若男女、みんな、まるで身内を自慢するかのように語るのが印象的だった。

 彼らの地元愛の象徴が東日本大震災の直後から始めた「東北魂義援金」活動だろう。2011年3月11日、サンドウィッチマンは宮城県気仙沼市で『サンドのぼんやり〜ぬTV』という地元ローカル番組のロケ中に被災。その時目撃した津波や火災の光景が忘れられず、復興支援を継続して行い、4億円もの義援金を集めた。

 震災はふたりのお笑いネタにも変化を与えた。以前はネタの中に多く出てきていた「死ぬ」という単語を、震災以降は一切使わないことにしたのだという。これには多くのファンが感動している。

※女性セブン2018年6月14日号