11月20日、日本列島に強い寒気が入り込み、各地で今季一番の冷え込みを観測した。東京都心の最低気温は3.6度と、すでに12月中旬並みの記録。翌21日には今季初の乾燥注意報も発令されている。

 急な気温低下は体調を崩す原因になりかねないし、乾燥がひどいとウイルスが飛散しやすくなる。各々が対策を講じているだろうが、実は良かれと思ってやっている「冬の健康習慣」が、裏目に出てしまうことも少なくない。

 たとえば、風邪やインフルエンザ対策として奨励される「マスクの着用」。通勤や外出の際には常にマスクを欠かさないという人も多いだろうが、実は「1日着けっぱなし」には危険が潜んでいるという。医師で『お医者さんが話せない 間違いだらけの健康常識』などの監修を務める米山公啓氏がいう。

「マスクを長時間着けっぱなしにしていると、マスクの表面(外側)にウイルスなどが付着してしまう。マスクを何度も着けたり外したりすることで、マスクを触った手から鼻や口にウイルスを取り込んでしまう可能性があるのです。

 医師の中には患者1人を診察するたびにマスクを取り替える人もいるほど。せめて屋内に戻ってきたときにマスクを取り替え、次の外出時には新しいものを着けたほうがいい」

 外出時は、衣類による防寒対策も重要になってくる。しかし単なる厚着・重ね着は無駄が多いという。『長生きするのはどっち?』の著者である医師・秋津壽男氏がいう。

「4〜5枚と重ね着をすると通気性が悪くなり、下着の中で汗がかえって体温を奪ってしまう。そのため、体を温かく保つには厚着を避け、太い血管が通っている首、手首、足首の“3首”をカバーすべきです。外出時はマフラー、手袋、レッグウォーマーなどの着用を薦めます」

 風邪予防で定番の「うがい」にも注意が必要だ。

「冬の風邪対策は口腔内の乾燥を防ぐことが重要。そのためうがいには一定の効果がありますが、うがい薬の使いすぎは避けたほうがいい。

 ヨード系のうがい薬は殺菌効果こそ高いものの、口や喉の粘膜にいる善玉の常在菌まで殺してしまい、かえって免疫力を低下させてしまう可能性が指摘されている。京都大学の研究では、うがい薬より水でのうがいのほうが感染率は低いというデータもあります」(同前)

※週刊ポスト2017年12月8日号