東京五輪のマラソン代表3枠のうち2枠を“一発勝負”で競うMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が9月15日に行なわれる。国内指定レースでの順位、タイムなどをクリアした選手(男子31人、女子12人)が出場し、過去に例のない豪華メンバーとなる。

「昨年2月の東京マラソンで16年ぶりに2時間6分11秒の日本記録を更新した設楽悠太(27)、その年の10月にシカゴマラソンで2時間5分50秒とさらに更新した大迫傑(28)、昨年12月の福岡国際で日本人としては14年ぶりの優勝を果たした服部勇馬(25)、そして昨年のアジア大会で優勝を果たした井上大仁(26)と、かつて正月の箱根路を沸かせ、脂の乗りきった年代になったランナー4強の構図です」(スポーツ紙デスク)

 MGCは「タイム」は関係なく「順位」がすべて。それゆえの見どころがある。スポーツライターの酒井政人氏はいう。

「ペースメーカーがおらず、気温も30度近くになると考えられるので、条件は厳しい。体力を温存すべく前に出て引っ張っていく選手もいないでしょう。本命視される大迫選手や設楽選手は、スピードがあるから後半勝負になるほど強く、誰かが前に出るのを待つと考えられる。スローペースになる条件が揃っています」

 超スローな展開となると、先頭集団は大人数になる。「4強」以外にもチャンスが出てきそうだ。

「昨年の福岡国際で30kmからペースを上げた服部選手は早めのポイントでスパートをかけることも考えられますが、MGCのポイントは2位でも代表内定となること。一人だけ抜け出しても、残りの集団はスローペースを維持して誰も付かないことも考えられる。そうしたなか、天候次第のところもありますが、ダークホースになりそうなのがベテラン・佐藤悠基選手(32)です。終盤のスピード勝負なら1万mで日本選手権を4連覇した佐藤選手に勝機がある。恐らく大迫選手をマークする形で走るでしょうから、そこで大迫選手が神経を削られることも考えられます」(同前)

 トップ選手たちがタイム無視で勝負にこだわる異色のレース。思わぬ結果が待っているかもしれない。

※週刊ポスト2019年9月20・27日号