横浜DeNAベイスターズは4月30日のヤクルト戦で敗れ、6勝21敗4分で借金15となった。勝率2割2分2厘で、首位・阪神と13ゲーム、5位・中日と5.5ゲーム離され、セ・リーグ最下位に沈んでいる。得点96はリーグ5位、打率2割2分7厘はリーグ5位タイ、失点154、防御率4.85はリーグ6位。打てず、守れずの状態が続いている。

 過去15年、4月終了時点での最下位は8度ある(横浜ベイスターズ時代も含む)。それらの時と比べてみよう。

【2006年】牛島和彦監督(最終順位:6位)
7勝15敗2分 勝率.318
得点117(3位)打率.254(5位)
失点157(6位)防御率6.38(6位) 

【2008年】大矢明彦監督(最終順位:6位)
7勝18敗1分 勝率.280
得点79(5位)打率.267(1位)
失点122(6位)防御率4.49(6位)

【2009年】大矢明彦監督(最終順位:6位)
8勝14敗 勝率.364
得点62(6位)打率.228(5位)
失点94(6位)防御率3.90(6位)

【2011年】尾花高夫監督(最終順位:6位)
5勝10敗1分 勝率.333
得点62(3位)打率.247(3位)
失点75(6位)防御率4.40(6位)

【2012年】中畑清監督(最終順位:6位)
6勝16敗1分 勝率.273
得点46(6位)打率.192(6位)
失点88(6位)防御率3.63(6位)

【2014年】中畑清監督(最終順位:5位)
7勝18敗 勝率.280
得点100(6位)打率.245(6位)
失点147(5位)防御率5.30(5位)

【2016年】ラミレス監督(最終順位:3位)
9勝18敗2分 勝率.333
得点86(6位)打率.245(6位)
失点108(2位)防御率3.32(2位)

【2019年】ラミレス監督(最終順位:2位)
10勝17敗 勝率.370
得点105(4位)打率.239(5位)
失点123(4位)防御率4.08(4位)

 8度のうち、シーズン最下位は5度。Aクラス入りは2度あった。

 4月終了時点に最下位で、チーム防御率もリーグ最低だった年は、シーズンでも最下位に終わっている。2008年は内川聖一が3〜4月で4割2分2厘と打ちまくり、相川亮二が3割7分1厘、金城龍彦が3割2分4厘をマークしたこともあり、チーム打率は1位だったが、得点にはあまり結び付かず、投手陣の崩壊もあり、勝率2割8分と過去15年でワースト2位タイだった。

 中畑監督1年目の2012年は、広島・前田健太にノーヒットノーランを食らうなど4月中に4試合連続完封負けも喫している。飛ばない統一球の影響もあってか、月間チーム打率1割9分2厘と打てず、得点46とともにリーグ最下位。先発陣も前年5勝の高崎健太郎が開幕投手を務め、2戦目から6戦目までの先発は三浦大輔を除けば、いずれも前年3勝以下の投手。失点、防御率ともに月間リーグ最下位だった。今年のDeNAは、その2012年よりも勝率が低い。

 それでは、5月以降、盛り返した年は何が違ったのだろうか。2016年、就任1年目のラミレス監督もスタートは悪かった。新外国人のロマックが打てず、ロペスも絶不調。梶谷隆幸をケガで欠いたこともあり、4月は得点、打率ともにリーグ最下位だった。しかし、投手陣ではルーキーの今永昇太が勝ち星こそ付かなかったが、5試合中4試合でクオリティスタートを達成し、井納翔一は防御率1.47で3勝を挙げた。チーム防御率2位、失点の少なさでも2位と、5月反抗の準備は整っていたように見える。

 ラミレス監督は4月限りで打率1割4厘のロマックに見切りをつけた。日本での実績があるロペスは信じて使い続け、5月に復調。梶谷の戦列復帰もあり、1か月で借金を完済した。ラミレス監督は白崎浩之を「1番・サード」で開幕スタメンに抜擢して重点的に使っていたが、5月終了時点で2割2厘、2本塁打、3打点と結果を残せなかった。そこで6月からは新外国人のエリアンをサードで起用。やがて、ホットコーナーは宮﨑敏郎に落ち着いた。

 ラミレス監督は期待を掛ける選手に対し、一定期間チャンスを与えて、結果が出なければポジションを剥奪した。指揮官自ら動いて、状況を打破していったのだ。その我慢と見切りのタイミングが絶妙だったと言えるかもしれない。

 6月は9勝13敗と負け越して再び借金生活に突入したが、他チームも交流戦に苦戦していたため、この時点で3位に。7月は筒香嘉智が打率4割2分9厘、16本、31打点と大爆発して14勝10敗と勝ち越した。最終的には、借金2ながらも初のクライマックスシリーズ進出を果たした。

 2019年は4月中にまさかの10連敗を喫したが、4月終了時点で首位・巨人と6.5ゲーム差、5位・広島と2ゲーム差と十分反抗の余地はあった。2年前に日本シリーズに進出した時とメンバーもあまり変わっておらず、2016年の経験もあってか、現在ほどの悲壮感は漂っていなかったように思える。

 一方、今年のチームは梶谷隆幸、井納翔一という日本シリーズ出場者がFAで巨人に移籍し、キャプテンを務めた石川雄洋もチームを去り、6年間の在籍で酸いも甘いも味わったロペスもいない。主砲として4番に座り続けた筒香嘉智も昨年からメジャーリーグに挑戦している。

 正直、選手層は5年前や2年前と比べて厚いとは言えない。5月以降も厳しい戦いが予想されるが、三浦大輔監督はいかにしてチームを上昇させるのか、その手腕に期待したい。