はたして先発、抑え、どちらを務めることになるのか──。メジャーリーグのジャイアンツ傘下3Aサクラメントの山口俊が、日本球界へ復帰する見込みだ。6月3日、インスタグラムを更新し、「この度、山口俊は日本に帰国することを決断しました。夢を追ってメジャーに挑戦しましたが、力及ばずシーズン途中での帰国となります」と綴った。

 2年前、巨人からポスティングシステムを利用し、ブルージェイズに入団したものの、1年で解雇に。今年は3Aで投げていたものの、5試合に投げて0勝3敗、防御率6.18と奮わなかった。古巣の巨人が獲得に名乗りを挙げており、復帰が濃厚になっている。プロ野球担当記者が話す。

「今年の巨人は投手陣に不安を抱えています。開幕からローテーションを守り続けているのは3年目の左腕である高橋優貴だけ。その高橋も6月1日の西武戦で左脚の違和感を訴えて4回途中で降板している。ただ、菅野智之、メルセデスが復帰予定なので、順調に行けば先発の駒は足ります。一方、デラロサが2軍落ちした今、9回を任せられる投手がいない。ビエイラや畠世周ではまだ力不足。山口が抑えを務める可能性も十分にあります」(以下同)

 2005年の高校生ドラフト1巡目で横浜に入団した山口は4年目に抑えの座を勝ち取った。その年から4年連続で50試合以上登板、15セーブ以上を記録。通算112セーブをマークしている。ただ、心配な点もあるという。

「かつては“抑え失格”の烙印も押されていますからね。DeNA時代の2013年、守護神として開幕するも、乱調が目立ち、途中からソーサにその座を奪われ、3度も登録抹消を経験しました。翌年4月2日の巨人戦では、8回途中からマウンドに上がると、長野久義やアンダーソン、坂本勇人などに連打を浴びて6点を献上。以降も不調から抜け出せない山口は、中畑清監督の発案で6月から先発に転向。すると、月間MVPを2度獲得するなど復調しました」

 DeNAで先発として実績を積み重ね、2016年オフにFAで巨人に移籍。2019年には先発の柱として15勝を挙げて、最多勝を獲得。巨人の優勝に貢献している。

「巨人に移籍した後も、抑えを務めた時期はありました。高橋由伸監督時代の2018年終盤には、チーム事情からクローザーに転向し、9試合で1勝1敗1ホールド、防御率1.50でした。数字だけを見れば、悪くないのですが、どうしても山口は勝負弱いという印象が拭えないんです」

 一昨年のソフトバンクとの日本シリーズでは初戦に先発するも、6回3失点で負け投手に。同年11月に行われた国際大会『プレミア12』決勝では、先発を任されるも1回3失点でKOされている。

「巨人では、1998年から3年間抑えを務めた槙原寛己を想起させます。トータルとしての数字は残すものの、大事な試合で打たれることが多かった。清原和博、松井秀喜、高橋由伸のMKTがホームランを打った1998年7月15日の横浜戦では、3点リードの8回から登板したものの、サヨナラ負けを喫した。この試合に勝っていれば、巨人は首位・横浜とのゲーム差を3に縮められたが、5に開いてしまった。結局、この年は横浜が優勝しています。

 山口はDeNA時代に抑えを務めたとはいえ、優勝争いの中での経験はない。それに、7月に34歳を迎えますし、2年前と同じイメージで考えていいものか。この1年半は結果を残せておらず、3Aでも通用していない。そこも気がかりですね。まずはファームで調整して、その時のチーム状況で先発か抑えか決めていくかもしれません」

 山口の巨人復帰が実現した場合、原辰徳監督はどんな決断を下すか。