1976年にスタートした『プロ野球ニュース』は2001年に地上波の放送が終わり、CSに舞台を移して同じ名前、そしてスタイルのまま、現在も元気に放送を続けている。番組開始時にキャスターを務めた佐々木信也氏が、同番組について語る。

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 1976年からMCとして番組のかじ取りを任されていた12年間は「楽しかった」の一言に尽きます。球場でたくさんのネタを仕込んでカメラの前に座り、その日の番組をどうやって面白くするかだけを考える毎日でした。監督やコーチ、選手の95%が見てくれていたと聞いた時は嬉しかったし、やりがいのひとつになりました。

 成功した大きな原因は全国のネット局が競っていいものを作ろうとしたこと。現場では記者が選手に食い込み、中継には各局がエースアナウンサーを投入した。この目に見えない競争がこれまでにないスポーツニュースにつながったと思います。当時の評論家たちは言いたい放題で、それを取りまとめるのが私の仕事でしたが、それを逆手にとって、本番ではいかに本音を話してもらえるか。こんなことばかり考えていましたね。

 最近のスポーツ報道を見ていると、褒めてばっかり。選手を叱る解説者がいない。だから聞いていて、「そうだ、そうだ」と拍手を送りたくなるようなコメントがない。別所(毅彦)さんや豊田(泰光)はいいプレーは褒めて、悪いプレーは叱った。私も辛口と言われましたが、本当のことを言っていただけ。勇気を持って本当のことをいうべきです。選手の名前を呼び捨てにできず、「××選手」とか言っているようでは話にならんですね。

 これもプロ野球が地上波から消えた原因のひとつだと思います。BSやCSでの中継ではマニアしか見ない。それでは国民的スポーツとはいえません。この解説者の喋りが聞きたいからこの局の野球中継を見たいというファンがいない。解説者のレベル低下が懸念されます。

撮影■山崎力夫 取材・文■鵜飼克郎

※週刊ポスト2017年8月11日号