セ・パ両リーグで最下位を独走するヤクルトとロッテ。かつて「PL学園より弱い」と揶揄された暗黒時代(1987年〜2001年)の阪神のように、ヤクルトとロッテが今春のセンバツ覇者・大阪桐蔭や、惜しくも甲子園出場を逃した清宮幸太郎(3年)率いる早稲田実業といった強豪高校と対戦したらどうなるか。

 今季のヤクルトは主力に故障者が続出。ヤクルトで4番を打った経験を持つ広澤克実氏は、これは“人災”だと断じる。

「今年のキャンプで最もダラダラやっていたのは巨人ですが、ヤクルトもそれと同じくらいダラけていた。キャンプの目的の一つがケガをしない体力作り。それを怠って故障者を次々と出しているようではプロとしてあまりにお粗末でしょう」

 対して高校野球の超強豪は、むしろ新戦力がチーム内で次から次へと出てくる。センバツ王者・大阪桐蔭では、大阪大会の4回戦で背番号16の柿木蓮(2年)が147kmの直球にスライダー、フォークを交えて7回11奪三振(失点0)の快投。エース・徳山壮磨(3年)以外に、大型左腕の横川凱(2年)やセンバツ胴上げ投手となった根尾昂(同)ら下級生の台頭が著しく、140km台を投げる投手が4人も5人も実戦で活躍している。

「選手層が厚いから、ケガはもちろんのこと、たった1つのミスでベンチを外される緊張感がある。だからこそ、一戦必勝どころか、全員が些細な一つ一つのプレーにも全力を懸けている」(担当記者)

 春先のキャンプから弛緩していたプロ野球チームより、地力があっておかしくないように思えてしまう。辛口評論でお馴染みの江本孟紀氏も弱小プロ球団のキャンプの状況を厳しく批判する。

「キャンプは弱点を補い、チームの方向性を定めるために行なうもの。たとえば、打てない時にどうやって点を取るか。定めた方向性に対して選手たちは練習漬けになる。ところがヤクルトのキャンプを見ていると、球団がケガを怖れてすぐに選手を休ませる。それでチームがひとつにまとまるわけがない。

 早実と試合したらどうなるか? 腐ってもプロですから、負けはしないでしょうが、1カード(3試合)やれば清宮君がスタンドに2〜3本は放り込むんじゃないですか」

 ヤクルト、ロッテは試合終盤の勝負弱さも目立つ。ロッテは今季すでに21回の逆転負けを経験。ヤクルトは10点差を逆転するような試合もあるものの、逆に7月7日の対広島戦ではクローザー不在の中、急遽抑えに回った小川泰弘(27)が9回に3本塁打を浴びる大乱調で5点差をひっくり返された。

「小川はその2日後にも救援に失敗し、言葉少なに『もっと抑えられるようにしたい』と語るだけでした。

 対する大阪桐蔭は春の近畿大会決勝で18―0と相手を圧倒した試合でも最後まで気を抜く様子はなかった。試合後には主力の根尾らが『もっと圧倒できるようにしたい』と引き締まったコメントを残していたのが印象的です。

 西谷浩一監督はホームランを打った選手にも、問題があればベンチで指導する厳しい選手教育で知られていますから、それが終盤も気を抜かないプレーにつながっている」(スポーツ紙デスク)

※週刊ポスト2017年8月11日号