猫の病気として多いのが外耳炎。耳の周辺を気にしたり、かく仕草をしている愛猫を目にしたことはありませんか? 実はこれを放っておくと大変なことになる可能性が! 今回は、猫の耳に関するトラブルの予防法を紹介します。

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「猫がしきりに耳を気にしてかゆがっていたり、耳を壁や床にこすりつけている場合は、外耳炎を起こしているかもしれません」

 と、JVCC二次動物医療センター目黒病院センター長の佐藤貴紀さんは言う。

 外耳炎とは、耳の穴(耳介)から鼓膜までの“外耳”と呼ばれる部分が炎症する病気のこと。外耳炎が重症化すると、鼓膜より奥の部分にも炎症が広がり、中耳炎や内耳炎を引き起こすことがある。

「外耳炎の原因として特に多いのが、マラセチアという常在菌が大量に繁殖してしまうケース。アレルギー体質で皮膚のバリア機能が弱くなっていたり、生まれつき、通気性の悪い耳の形をしていると、菌は発生しやすくなります」(佐藤さん・以下同) 

 外耳炎の原因としてはそのほかにも、細菌感染によるものや、耳ダニなどの寄生虫が寄生することで起こるもの、アトピーなどのアレルギーによるもの、植物の種などの異物が混入したり、腫瘍ができることによるケースなどがあげられる。

◆愛猫の耳の中の色は? においは? 確認を

 外耳炎は、比較的飼い主が気づきやすい病気ともいわれている。それというのも、外耳炎になると耳をかゆがる以外に、耳の中からイヤなにおいが漂ってくるからだ。

「黒くてベタつきのある耳垢が出て、ツーンと生臭いにおいがすることが多いです。耳の中がくさい、黒っぽい耳垢が出る場合は、外耳炎が疑われるので、すぐに動物病院を受診してください」

 外耳炎以外でもう1つ、耳のトラブルで多いのが、ヒゼンダニという耳ダニの寄生だ。このダニが寄生すると、かなり強いかゆみを伴い、耳以外に頭部や顔の皮膚なども炎症し、脱毛などが起こる。

「耳ダニは、野良猫などと接触することで感染するため、外に出る習慣のある猫は、事前に薬剤を投与して予防を。外出後は、耳をきれいに洗浄することも大切です」

 外耳炎を含め、耳のトラブルの予防は、耳を清潔に保つことが基本となる。月に1〜2回、コットンや綿棒にイヤークリームなどをつけて、見える範囲をやさしく拭き取ろう。綿棒は急に猫が動いたりして、耳の中を傷つけてしまう可能性があるので、使う際は注意を。また、猫の耳の中の構造を理解せずに適当に洗浄すると、鼓膜を破ったり、神経を損傷してしまう恐れがある。耳道を傷つけてしまうと、外耳炎を繰り返すことになるので、まずは動物病院で洗浄方法を学んだ方が安心だ。

 正常な猫の耳の中はピンク色をしている。日常的に耳の中が汚れていないか、においはないか、耳垢は出ていないかなどをチェックしておこう。

※女性セブン2019年12月19日号