長時間スマホを利用したことで、体調が悪化することはないだろうか。首や肩が痛くなったり、猫背になったり、目が疲れたり……。スマホが引き起こす不調を体の部位別に例示する。

【目】
 スマホの長時間使用で瞬きの回数が減り、目の乾いた状態が続くために、ドライアイや眼精疲労につながる。毛様体筋を疲労させ、ピント調節機能が正常に働かなくなるため、若い人でも老眼のリスクが生まれる。

【肩・首】
「スマホ猫背」が続くと、肩・首の凝りに。悪化すると頭痛やめまい、吐き気を引き起こす。胃の圧迫にもつながり、消化不良や逆流性食道炎を引き起こす。さらには、高血圧や脳梗塞につながる恐れも。

【顔】
 目元の血行が悪くなり、しわやくまが生じやすくなる。さらに、無表情で過ごす時間が増え、顔の皮膚や脂肪を支える筋肉は衰え、顔のたるみやほうれい線にもつながる。下を向いてスマホを操作する姿勢は、それだけで首のしわの原因に。顔をしかめるようにしながら小さな文字を見ることで、眉間や額にもしわが寄る。

【脳】
 脳が情報を処理しきれなくなる「脳疲労」が引き起こされる。前頭前野の働きが阻害され自律神経に支障をきたし、不眠や便秘といった不調、不安やイライラ、気持ちが沈むなど感情をコントロールする力が低下するという。また、情報をアウトプットする「想起力」の低下にもつながるという。

【その他】
 頭皮に充分な栄養が供給されなくなり、抜け毛や薄毛の原因にもなりうる。また、スマホのブルーライトが深い眠りを妨げ、食欲は過剰になる。猫背がちになり、腹筋が弛緩すると、お腹に脂肪がつきやすくなり、“ぽっこりお腹”の原因にも。

 では、スマホによる病気を防ぐにはどうすればいいのか。

 もちろん「長時間使わない」ことが最善だが、使い方を意識するだけでも体への負担は大きく変わるという。ちくさ病院の総合内科医・近藤千種さんはこう言う。

「使うときはなるべく下向きの姿勢を避け、猫背にならないこと。目の高さか少し下を向く程度にして、画面を目から30〜40cm離しましょう。1時間以上スマホを見る場合は、間に10分程度の休憩を入れ、寝る2時間前からはスマホを見ないことを心がけてください」(近藤さん)

 スマホを使う合間にストッレッチをはさむことも有効だ。整体院「御影フィール」院長の鄭信義さんはこうアドバイスする。

「スマホを長時間使っていると緊張状態が続き、交感神経が優位になるため、呼吸は浅く心拍数が多くなります。ストレッチや深呼吸をすることで副交感神経を優位にさせることが、緊張状態をほぐして全身の凝りをほぐす最善の方法でしょう」(鄭さん)

 デジタルの普及が進み、生活のなかで必要不可欠な存在になったスマホ。そんな存在だからこそ、私たちの健康を脅かす「新たな現代病」になりつつある。上手な向き合い方を学び、正しく活用することが健康な体への第一歩だ。

※女性セブン2020年11月5・12日号