「恋愛に年齢はない。それはいつでも生まれる」とはフランスの哲学者・パスカルの言葉。とはいえ相手があってこそ。コロナ禍で出会いのないいま、ブームになっているのが、「マッチングアプリ」だ。昨今、アプリをきっかけに結婚する若者が増えていたが、40代以上の男女も入会者が急増しているというのだ。それってどんなものなのか──実態をレポート!

「40代以上にとって“出会い”といえば、趣味のサークルや職場などがその舞台となってきました。しかし、コロナ禍によってリアルな出会いの機会や場所がなくなったため、“マッチングアプリ”を始めた、という人は確かに増えています」

 とは、マッチングアプリの専門家・伊藤早紀さんだ。インターネット(以下・ネット)上での出会いというと、“出会い系サイト”などを連想し、「あやしい」「不健全な出会いの温床」などといった嫌悪感を持つ人は、この世代に多い。しかし近年、そのイメージが払拭されつつあるという。

「多くのマッチングアプリは、個人認証技術などを使って身元を明らかにしているうえ、アプリ内のやりとりは第三者(運営側)に監視されています。ですから、犯罪にかかわるようなことはできないようになっているんです。そのことが知られるようになったのも、登録者が増えた理由の1つです」(マッチングアプリ「マリッシュ」代表・大塚潤さん)

 日本企業が運営する多くのアプリは、警察が管理する「インターネット異性紹介事業」の認可を受けているため、会員登録時に年齢確認や身分証明書の提示などが必要になる。手続きは面倒だが、おかげで安心感はより高まる。

 では、数あるマッチングアプリからどれを選べばいいのか。

「目的が結婚なのか、友達づくりなのかで違います。迷ったら会員数が1000万人以上いるアプリに登録を。会員数が多ければマッチングしやすいので、そこで使い方に慣れてみては?」(伊藤さん)

45才記者が20才の学生とマッチング!?

 そこまで人気ならやってみるか──重い腰を上げたのは、離婚して13年、彼氏なしの記者K(45才)だ。早速、国内最大級の登録者数を誇るペアーズに登録してみた。

 ペアーズは、相手がこちらのプロフィールを見て気に入り、直接連絡を取りたいと思ったら、「いいね!」を送って相手からの返答を待つシステム。こちらも気に入り、「いいね!」を送り返せばマッチング成立で、直接メッセージを送ったり、電話番号を教えずに通話(ビデオデート)もできる。気に入らなければ「いいね!」を返さなければいいので、角が立たない。

 登録してしばらくは、運営側が新規登録者を目立つ場所に表示してくれる。そのせいもあってか、顔写真を載せていないのに、開始1日で11人から「いいね!」が届き、現実とは違ったモテぶりに驚かされる。しかも、なかには20才の学生や年収1500万円以上2000万円未満の37才、IT企業社長まで……。しかしKが気になったのは年収より年齢。

(25才年下って、うちの子供と変わらないじゃない)

 と、親目線で不安になる。そこで、「いいね!」を返してマッチングした後、「25才も年上でいいのか」と、メッセージを送ってみる。すると、

「年齢は関係なく、よいお友達を探しています。でもできれば、××さんとは大人の関係にもなりたいと思っています。女性経験が少ないので、年上女性の方が安心できるんです。逆にそういうのはダメですか?」

 という返信がきて、思わず胸が高鳴る。結局その後もメッセージを重ね、顔を見ながら通話ができるビデオデート機能でリモート飲みも経験。緊急事態宣言が明けたら会うことに。ほかにも、同世代の男性9人ともメッセージのやりとりをし、そのうち3人とは4月に会うことになった。同時に10人の男性とやりとりをするなんて人生初の経験だ。浮気をしているわけでもないのに罪悪感も……。

「女としての自尊心が高まる、という人が多いんですよ。アプリによって差はありますが登録者の男女比は、およそ7:3と女性が少ないので、年齢を問わず女性はモテるんです」(伊藤さん)

 住む世界が違う人とも出会えるのがマッチングアプリの魅力。記者Kの恋(?)の結末はまだわからないが、結婚した、友達ができたといった経験者もいるようだ。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2021年4月8日号