夏休みにキャンプなどに出かけ、そこで危険な生物に出くわすこともあるだろう。しかし、熊も、毒をもつハチや蛇も、人間にやみくもに襲いかかるわけではない。遭わないようにするのが原則だが、それでも出遭ってしまったら、どうすればいいのだろうか。専門家に教えてもらった。

◆ハチが大群で攻撃してきた!

「日本における有毒生物による死亡件数の1位はハチ。毎年20人ほどが亡くなっています」。そう語るのは、危険生物対策を専門とする西海太介さん。

「ハチの毒には、仲間を引き寄せるフェロモンが入っているので、巣に近い場所は危険です。万が一、ハチが集団で攻撃してきたら、刺されないように追ってこなくなるまで逃げましょう。距離は、最低でも10〜20m以上は離れてください」(西海さん・以下同)

◆ハチが一匹部屋に入ってきた

 ハチは明るい方に向かう習性があるので、迷い込んできた場合は部屋を暗くし、窓を開け、明るい外に逃げるように誘導しよう。

◆ハチに刺された!

「ハチの毒は水溶性なので、傷口を絞るようにして流水で5分以上かけて洗い流すのが効果的。強い痛みは冷やすことで緩和され、通常は1〜2週間ほどで改善します」

 水道がなければペットボトルの水を使ってもよい。刺されたところの局所的な症状は誰にでも起こる毒の症状だが、息苦しい、めまい、刺されたところ以外にじんましんや腫れ、かゆみなどの全身症状が出てきたら速やかに病院へ。

◆蛇を見つけたら

 ハチに続いて死亡事故が多い蛇。「蛇の攻撃範囲は体長の3分の2程度で、ジャンプもしません。日本に棲む毒蛇のマムシの体長は40〜60㎝、ヤマカガシは70〜120cm、沖縄のハブは1〜2mなので、計算上1.5m以上離れていればかまれません。

◆毒蛇にかまれたら

 毒蛇にかまれると基本的に入院が必要になる。

「蛇から離れた後、時計や指輪などの身体を締め付けるものを外すこと。大きく腫れて取れなくなって締めつけられ、組織障害を起こす可能性があるからです。その後、すぐに救急車を呼んで病院に行きましょう。毒蛇の種類や体質ですぐには症状が出ないケースもある。安易な自己判断はせず、一刻も早く病院へ」

◆熊と目が合ったら

 6月に北海道・札幌市の住宅街で熊が4人を襲うなど、目撃情報や事件が絶えないが、もし熊に遭遇したら、慌てて逃げるなど俊敏な動きはNG。目をそらさず、後ずさりしながら離れること。

「近づいて来るようであれば、食べ物や荷物を落とすなどして興味をそらし、そのすきに逃げましょう。その際も、背中を見せずに後ずさりし、視界に入らなくなったら急いでその場を離れて」

◆海でクラゲに刺されたら

 海水浴シーズンになると被害が増えるクラゲ。触手に毒を発射する小さな針のようなものを持ち、これに触れると刺されてしまう。

「刺されたらすぐに陸に上がり、基本的には海水を患部にかけながらやさしく洗う。肌に触手の一部が残っている場合、抜こうとして手を刺さないように注意が必要です」

 クラゲの毒もアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるので、心配な場合は病院へ。

取材・文/山下和恵 イラスト/田中斉

※女性セブン2021年8月12日号