テレビコメンテーター、放送作家として知られる元参院議員・野末陳平氏は、85歳を迎えたいま「好き勝手」に楽しい老後を過ごしているという。3月に『老後ぐらい好きにさせてよ 楽しい時間は、「自分流」に限る!』を上梓した野末氏が、目からウロコの心得を説く。

 野末氏の交友・交遊術で重要なのは、「話し相手をたくさんもつこと」で、必ずしも「新しい趣味」を持つ必要はないという。

「老後を語った本を読むと、趣味を持てとか、地域のボランティアに参加しろと書いてある。俺もお稽古事をやってみたが、全部ものにならなかった。だから、趣味は何もありません。あったのは色気と食い気だけだったんだけど、色気も駄目になって(笑い)、最後に残ったのが食い気だった」

 そこで、「めし友」を作るに至ったという。

「老後のひとり飯はまずい。にぎやかに食べたほうがうまいに決まっています。だから、月曜から金曜まで、平日はほぼ毎日、『めし友』と一緒にランチをしている。

 相手は男女問わず、30代から70代までいます。作家の吉川潮クン(68)とは週イチで会っていて、知人を紹介してもらうこともあります。立川流の落語家さんたちや出版社、テレビ局の関係者とも食べに行く。あと、俺の元秘書で元民主党代表の海江田万里クン(68)や、ニコニコ動画の収録でご一緒する吉村作治先生(74)とも月イチで雑談ランチをします。みんな話題が豊富で、新しい情報や刺激だけでなく、若さまでもらえるわけだ」

 もっとも、新しい人と会い続ければ気疲れもする。それを回避するために、野末氏は「めし友」と会うのは平日限定、その付き合い方も、現役時代のように深くは立ち入らないという。

「孤独に強い人なんていないから、ひとり飯が寂しいのは当然。だけど、毎日誰かと一緒でも疲れてしまうものです。だから、土日は『男の生理日』と捉えて、一人で映画を観たりして“休暇”にあてる。

 毎日違う人と会うのも疲れるけど、同じように、密接な人間関係も気疲れする。70歳を過ぎたら、現役時代のように利害の絡んだ関係はうまくいかない。

 だから、テニス仲間はテニスのときだけ、ゴルフ仲間ならゴルフのときだけの付き合いで、それ以上はお互いに踏み込まない。老後の人間関係は、『刹那主義』でいいし、『適度な距離感を保ったまま』でいいんです」

※週刊ポスト2017年4月21日号