何らかの病気にかかったとき、その必要性は感じながら、どのようにセカンドオピニオンを求めていいか分からないという人たちが増えている。そんなニーズを受けて展開されているのがインターネットサイト「アスクドクターズ」である。読者が医療に対する日々の疑問を書き込み、5100人以上登録している現役医師が回答する。サービスの月額利用料は300円だ。

 セカンドオピニオンを正式に取る場合、主治医に紹介状や検査結果をもらったり、別の専門医を探したりと、手間がかかる。主治医にケチをつけるようで気が引けるという人も多い。

 しかし、アスクドクターズであれば、匿名で質問して回答をもらえるので、主治医に気兼ねする必要はない。とりあえず質問して回答に納得すればよし、疑問がより高まったのであれば、改めて別の医療機関でセカンドオピニオンを求める、といった使い方が可能だ。

 このサイトでは、本人の代わりに、患者の家族が質問するケースが多いのが一つの特徴だ。

〈義父が糖尿病からの腎不全で3月に入院し透析を開始したのですが、2か月が経過し、状態は改善するどころか悪化の一途です。肝硬変も併発しており、腹水がかなりたまってしまっています。現在、転院後1週間、透析中の血圧低下により一時昏睡状態に。大学病院では状態が安定していたのに、転院先でまた血圧低下して危険な状態になってしまったことに家族一同戸惑っています〉

〈肝臓専門医施設で透析ができるかどうかが問題になると思います。腹水がたまった肝硬変はそれ自体、かなり厳しいです。糖尿病が合併していることも栄養不良をさらに悪化させます。加えて腎不全ですからなかなか難しいです。とにかく腹水コントロールと栄養管理が大事ですね。肝臓学会のホームページで肝臓専門医のリストがあります。その病院で透析をしているかは、病院のホームページを調べればいいと思います〉

 実名でこの回答を寄せた、福岡市にあるまえだクリニック・前田正彦院長は言う。

「肝臓病と腎臓病が合併しているケースです。腎臓は透析で対応するとして、肝臓病は肝硬変となると治療が難しい。肝臓病の専門医にしっかり診てもらわなければいけないので、専門医に一度診てもらって方針を決めたらどうかとアドバイスしました。患者さんやその家族が、病院だと聞きづらかったり、こんなこと聞いていいんだろうかと思うことも簡単に何度も聞けるのがメリットだと思います」

◆聞くと安心できる

 気軽に聞けることに安心感を覚える人も多いようだ。

 76歳で胃がんの手術を受けた父親に代わって質問する子供は、〈再発の予防を可能な限りしたいと思っておりますが、主治医に他の抗がん剤の治療を断わられた場合、他の病院での治療は可能でしょうか?〉と聞くと、〈他の病院での治療は可能と思います〉と答えた消化器内科医に連日質問。

〈○○と言われましたが、大丈夫でしょうか〉といった疑問に対し、医師は〈まったくコメントできない情報ですね。再度主治医の先生にきちんと聞きましょう〉などと慎重な答えに終始するが、それでも質問者は〈本当に先生の返事を読み、安心させていただいております〉と感謝している。

 なかには、セカンドオピニオンの取り方そのものについて質問するケースもある。40代女性からの相談だ。

〈子宮体がんの診断を受け、精密検査完了。インフォームドコンセントはこれからです。まだ実際の治療は受けていませんが、他の病院で治療を受けることも考えています。希望する病院をみつけ、紹介状や資料を医師にお願いすればよいでしょうか。言い出すタイミングや手順について、アドバイスをいただけましたら幸いです〉

〈セカンドオピニオンについての手続きについては、それでよいと思いますが、意中の病院への転院を考えている場合は、「セカンドオピニオン外来」ではなく、「他の医師の見解も聞いてみたいので、(意中の)他の病院に紹介してもらいたい」というのがよいと思います。時期はインフォームドコンセントの前がよいのでは。インフォームドコンセントのあとで「他に移りたい」と初めていわれると、医師は労力を無駄にしたと感じてしまいます〉

 主治医のことも配慮してスムーズにセカンドオピニオンを取る提案は、現役医師ならではの視点である。

※週刊ポスト2017年8月4日号