直射日光を浴びる真夏の屋外には、室内とは別の危険が潜んでいる。やむを得ず出かけなければならないとき、庭やベランダで作業をするとき……。そんな場面で誤解の多い暑さ対策を紹介しよう。

 外出時はハンドタオルやハンカチで汗をこまめに拭くという人もいるだろう。エチケットとして当たり前の行為だが、実は医学的にはリスクを孕んでいる。『長生きするのはどっち?』(あさ出版刊)の著者で、秋津医院院長の秋津壽男医師がいう。

「肌に付いた汗は蒸発する際の気化熱で火照った体を冷やしている。そのためすぐに拭いてしまうと汗の冷却機能が損なわれる」

 とはいえ汗を全く拭かないわけにもいかない。その場合は「湿ったタオル」を使用する。冷たいタオルであれば、皮膚の表面温度を下げることもできる。薬局・コンビニなどで売られるボディペーパーを持ち歩くのも一手である。

 肌をクールダウンする際に便利なのが熱冷まし用の冷却シートだ。発熱時と同じように額に貼り付けている人が多いが、熱中症対策としては効果が薄い。冷却シートを貼るべきは「首の後ろ」だ。太い血管が集まっており、全身を冷やすことができる。マフラー型の冷却タオルも最近では浸透している。

 半パンとサンダルで快適に過ごす―─この常識も疑ったほうがいい。

「実は、カンカン照りの時は長袖・長ズボンのほうが体を冷やせます。血管が浮き出る腕や足を露出する半袖・短パンは日光で直に皮膚を温めてしまい、体内に熱がこもってしまいます。ただし長袖・長ズボンは通気性が悪いのが難点。寅さんが来ているダボシャツやステテコのように、袖口や裾が大きく開いていれば長袖でも遮光性と通気性を両立させられる」(前出・秋津氏)

 外出する際に、日焼け止めクリームで紫外線対策をする人も多いだろう。最近は男性用の日焼け止めクリームも多く販売されている。しかしこれはあくまで紫外線対策であって、熱中症対策としては何ら意味を持たない。日光による体温上昇を防ぐことはできないからだ。秋津氏が薦めるのは「腹巻き」だ。

「エアコンに当たったり、冷たい飲み物を飲み過ぎることで、夏の胃腸は冷え切った状態にあることが多い。胃腸の冷えは交感神経に作用し免疫力を低下させます。腹巻きなどでお腹だけは温める工夫をしてほしい」

 夏場には必ず着用を喚起される「帽子」。しかし前にしかつばのない野球帽と、麦わら帽子では暑さ対策としての効果がまるで変わってくる。冷却シートの使い方同様、額を冷やすよりも首筋を冷やすほうが冷却効果は大きいからだ。

※週刊ポスト2017年8月11日号